オアフ島ノースショア、サンセットビーチ近くに、知る人ぞ知る養蜂場があるのはご存知でしょうか。ハナイ・ハイブス(Hānai Hives)は、2020年カリフォルニア出身のケイティ・メッツガーによって始まった養蜂場です。
彼女は10年以上にわたって学校や地域にポリネーター(花粉媒介者)の生態系における重要性や支援活動を伝え続けています。この養蜂場ではファームツアーだけでなく、健康なミツバチを育て思いやりのある養蜂家を育てるという使命を果たすため、オアフ島で初めてミツバチの巣をホスト(所有・管理)できるプログラムを立ち上げました。
ノースショア出身で、サーフ系ミュージシャンで有名なジャック・ジョンソンが発足したコクア財団がパートナーとなり、今ではオハナ(家族)&アロハ精神を念頭に、ポリネーター教育により熱心に取り組んでいるそうです。
敷地内には100種類を超える果樹があり、ファームツアー序盤はその素敵なお庭を案内してくれます。タイミングが良ければ木からとれたてのトロピカルフルーツやスーパーフードモリンガの葉っぱをその場でいただけることも。ミツバチたちが好んで集まる場所もあるそうで、こっそり覗かせてくれます。
ケイティのミツバチへの敬意が感じられる説明で、普段避けてしまいがちな蜂たちが可愛らしく見え、愛着が湧いてきます。
その後、防護服を装着しミツバチの巣へ向かいます。ミツバチたちを興奮させないように、枯れ枝や葉でスモークを炊いたら準備万端。
巣箱内のフレームをいくつか引き上げて、蜂蜜、花粉、雛で満たされた巣を直接見せてもらえます。この1つのフレーム内に1匹だけしかいない女王蜂や数匹しかいない雄のミツバチにも対面できますよ。たっぷりの蜜をご覧になりたい場合は、夏前後がベストシーズンだそう。
1匹のミツバチが一生に作ることのできる蜜はスプーン一杯、寿命は6週間。この六角形の巣穴は少ない材料で最も丈夫な構造の巣が作れる形であること、隣島ハワイ島には世界的に有名な養蜂家がいることなどとてもワクワクする話をしてくれました。ハチミツの味わいがまた変わってくるようです。
ツアーの最後には、ここで採れたハチミツやハニーコムのテイスティングができます。食べている横でたくさんのミツバチたちが寄ってきます。
店内ではファーマーズマーケットなどにも卸していないローハチミツが購入可能。シナモンやジンジャーフレーバーはそのまま食べてもフルーツやハードパンにつけてもコクがありなめらかな舌触りが最高で、幸せな気持ちになります。
養蜂場の名前にもなっているハナイ(hānai)とはハワイ語で養子制度を意味し、それはかつてハワイ文化の中では美しい文化的習慣として日常的に行われてきたことだそうです。このネーミングにもミツバチを守りたい、次の世代へと活動を繋げたいというオーナーの思いを見ることができます。
ミツバチの数は世界的にも減少しており、その原因としては農薬や病気、蜜源の不足など様々な要因が挙げられます。ノースショアの一角で行われているミツバチの生態や保護活動を知ることのできるツアー、とてもおすすめです。
ハナイ・ハイブス(Hānai Hives)
58-348 Kamehameha Hwy Haleiwa HI 96712
月曜定休
〈ツアーの申込は予約必須、Webサイトから可能(英語)〉
※掲載の情報は、変更となる場合があります。