Photo/Markus Crépin
Photo/Markus Crépin

心身リフレッシュ!ストックホルムの人気日本式スパ

海外現地ライター便り
2024年09月13日
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海外旅行
旅行記

ストックホルム中心部から約30分。緑豊かで閑静な住宅地をしばらく歩いて行くと見えてくるのが、どこか懐かしさを感じる連立鳥居。大きな存在感を放っているにも関わらず、野生のリスが歩道を走っていたり、自然が豊かで落ち着いた周辺環境に不思議なほどなじんでいます。

連立鳥居 Photo/ Yasuragi Press

1997年にオープンした日本の温泉文化とスウェーデンのスパ文化を調和させた"Yasuragi"。その名の通りコンセプトは "心身ともに日々のストレスから解放され、安らぎの時間を過ごす" 。20年以上に渡りスウェーデンを代表する和風スパホテルとして、国内外多くの人がここを訪れています。2018年にはワールド・ラグジュアリー・スパ・アウォードを受賞し、スウェ―デンだけではなくヨーロッパを代表する上質なスパホテルとして国際的にも評価されました。

Yasuragi Photo/ Yasuragi Press

館内には着物や太鼓など、日本を意識した装飾品や小物があり、日本語の表記もあります。宿泊客のドレスコードは浴衣で、館内やレストランにいる宿泊客は皆、浴衣。まるで日本にいるような気分に。少し違うのが浴衣の着方。日本だと他人の視線を意識して、浴衣をきちんと着られているかなど、恰好を気にしてしまいますが ここでは誰も気にしていません。みな斬新な着こなし方でも堂々としていました。

大浴場 Photo/ Markus Crépin

宿泊客は8時~22時半の間、好きなだけスパと温泉入浴が可能です。日帰り入浴もできます。気になるYasuragiのスパは、開放的な大浴場(35℃)をはじめ、洞窟風呂、広々としたサウナ、そして日本の温泉のように、絶景が見渡せる大露天風呂もあり。BGMにリラクゼーション音楽が流れており、最高の癒し空間となっています。

大浴場 Photo/ Markus Crépin

Yasuragiでは「入浴前に体を洗う」「静かに入浴する」「スマホ使用禁止」という日本の温泉のようなルールがあります。日本の温泉に入る感覚で、とても快適に入浴することができました。自分と向き合い、日々の疲れを癒すのに最適な場所なのです。

2018年にリニューアルしたスパは、炭酸風呂・水風呂・蒸し風呂などが加わりリラクゼーション空間がより広く、モダンなデザインになりました。そして、新大浴場のデザインは日本の庭園から、新露天風呂付近にあるサウナの建物は奈良の歴史的建造物からヒントを得たものだそう。至るところに日本文化の美しさが取り入れられていて、日本人であることを誇らしく思えます。

サウナ Photo/ Yasuragi Press

サウナ Photo/ Yasuragi Press

日本で人気のサウナですが、冬が長いスウェーデンでは一般家庭にサウナがあることが多く、とても身近な存在。ここYasuragiでは、ドライサウナ、ミストサウナ、そして ストーンに水をかけると熱い蒸気が広がるフィンランド式のサウナを体験できます。

食事も日本風 Photo/ Yasuragi Press

Yasuragiでは食事も日本風。「TEPPANYAKI KIRI」では日本とスウェーデンの食材を使った本格的な鉄板焼きを、「Restaurang MINAMO」ではストックホルムの入り江を眺めながら日本料理をアレンジした創作料理を楽しめ、そして「IZAKAYA NAGI凪」では提灯が飾られた日本の居酒屋に来たような落ち着いた雰囲気が味わえます。

食事も日本風 Photo/ Yasuragi Press

宿泊客は、滞在中無料で座禅やヨガ、寿司作り体験、カラオケなど日本文化を体験できるアクティビティに参加可能(2024年4月現在)。数年前までは「ラジオ体操」プログラムもありました!日本風スパ、和食に加え日本文化を体験できるという、とても充実した内容。スウェーデンという遠く離れた国で、こんな日本を体験できる宿泊施設はなかなかありません。

極上のスパ、健康的な和食、そして充実したアクティビティ。日本人だけではなく、あらゆる人々を癒し、心の底からリラックスできる場所Yasuragi。他人に迷惑をかけない、温泉は静かに浸かる、旅館で浴衣を着てくつろぐ...。日本では当たり前だった、日本の慣習や文化の素晴らしさを再発見できる場所でもありました。

文=KANAE.T
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