トラベル&ライフ12-1月号の取材先は、南アフリカ。
今回の取材ではクルーガー国立公園でゲームドライブを楽しんだ。サファリ・カーに乗ってブッシュを駆け巡るのだが、オスのライオンを間近に見ることができた。距離はわずか数メートル!ハラハラドキドキの一瞬だった。
取材の際、各地でアフリカらしいさまざまな料理を食べたが、ここでは本誌に書けなかったとっておきの「珍味」を紹介しよう。
レセディ文化村の入り口
各部族の伝統的な民家を見学する旅行者たち
ヨハネスブルグから車で約50分のレセディ文化村を訪れた時のことだ。ここは、南アフリカを代表するズールー、ソト、コーサ、ペディの4つの部族の暮らしや文化を紹介する施設で、いわゆる民俗村といった雰囲気。敷地内には各部族の伝統的な家が建っており、単に見学するだけでなく各民家に宿泊することもできるようになっている。
これがモパネワームの炒め物
ガの幼虫を食べた!
それぞれに特徴のあるユニークな民家を見学し、休憩タイムになった。
すると、ズールー族の青年ガイドが「おいしいから食べてみませんか」と取り出したのが、なんと炒めた芋虫! いや、正確にはモパネワームというヤママユガ科のガの幼虫だ。体長は3~4cm。南部アフリカではポピュラーなタンパク源として食べているそうだが、写真でおわかりのように見た目が悪すぎる。一緒に見学していた欧米からの旅行者は誰も手を出さない。
スパイシーで淡白な味
筆者自身も、普段はこうした珍味は遠慮することにしているのだが、この時はなぜか手を出してしまった。ひとつつまんで、思い切って噛んだ。臭味はなく、外側はカリッとして、中はクリーミー。聞けば、茹でてから炒め、さまざまなスパイスで味付けをしているという。
味の記憶はほとんどなく、見た目のインパクトと口に入れる瞬間のドキドキ感だけは今もしっかり覚えている。しいていえば、「スパイシーで淡白な味」といったところか。確かに食べる勇気を必要とする珍味だが、機会があったらぜひトライしてもらいたい。
ダンスのパフォーマンス・ショー
ちなみに、レセディ文化村では民家を見学した後に各民族のリズミカルでダイナミックな太鼓とダンスのパフォーマンス・ショーがあり、さらにクロコダイルの肉などが味わえるランチが付いて、入園料は365ランド。