アイルランドのロスコモン県エルフィン村にある「エルフィン・ウィンドミル」(Elphin Windmill)は、18世紀頃に使われていたアイルランドで一番古い風車です。今回は、そんなエルフィン・ウィンドミルの魅力をご紹介します。
バリナミーン(Ballinameen)からエイカーズ・ヒル(Acres Hill)経由でシュリーバ通り(Sheerevagh)を抜けて、古いファームハウスを過ぎたあたりから景色が一変します。かつて中世の古い集落が存在した証とも言える曲がりくねった細い道をさらに進むと、そこはもうウィンドミル・ロードです。
ウィンドミル・ロードを進むと360度何もない高い草原の台地に、ぽつんぽつんと数軒の家が見え始め、この一本道を5分ぐらい車で進むと、エルフィン・ウィンドミルが突然現れます。ウィンドミルは、まるで時が止まっているかのような不思議な雰囲気を纏い静かにそこに佇んでいます。
ここから車で15分ほどのところにあるボイル図書館(Boyle Library)で借りられる住宅地図をみると、無数の遺跡がこのあたりに点在することが分かりました。残念ながらほとんどが土地の所有者によって破壊されてしまいましたが、今でも残っている遺跡がいくつかあります。
エルフィンからタルスクにかけての一帯は古代の遺跡の宝庫なので、興味のある方は「rathcroghan visitor centre」で調べてみてください。ツーリストタウンのキャリック・オン・シャノンからエルフィンに直接つながる道路沿いには、この古い雰囲気があまりないので、古の雰囲気を楽しむならフレンチパークからバリナミーン、シュリーバ通り経由で来るのがおすすめです。
エルフィン村はその昔、職人の村だったそうです。革製品や穀物などを扱うマーケットが昔から存在し、有名なセント・パトリックもこの村を訪れたと言い伝えられています。435年頃にセント・パトリックがこの村を訪れたとき、この辺りはドルイド(Druid)が支配していました。ドルイドの長であったオノ(Ono)が城と土地をセントパトリックに提供し、この地に教会を設立する礎になったという記録がエルフィンの教会に残っているそうです。
その後もエルフィンは古いマーケットタウンとして繁栄し、18世紀にはトウモロコシや麦を引くためのウィンドミルが建てられました。一説によれば、エルフィン・ウィンドミルは、建物の風化が早かったために18世紀の後半にはもう使われていなかったという記録も残っているそうですが、詳しいことは分かっていません。確かなことは、その後も建物は残っており1996年に地元の人達の協力で復元されたということです。
ウィンドミルから道路を挟んだ向かい側に、専用の無料駐車場があります。また、駐車場の隣には、散策を楽しめる森があり、ちょっとしたピクニックを楽しめるベンチやテーブルもあるのが嬉しいですね。
地元の人の話によると、冬のあいだは閉鎖されていますが夏には開くそうです。
この記事では、アイルランドで一番古い風車、エルフィン・ウィンドミルの魅力をご紹介しました。冬のあいだは博物館が閉鎖されていますが、夏場はもしかすると開くかもしれないので、気になる方は事前に調べてから訪れてみることをおすすめします。
Elphin Windmill
住所: Windmill Rd, Elphin, Co. Roscommon, F45 E289