チヴィタ・ディ・バニョレージョという村をご存知でしょうか。イタリア・ローマの北約120kmに位置し、凝灰岩という岩でできた丘の上にある、絶景の街です。
チヴィタ・ディ・バニョレージョまで公共交通機関で行く場合、ローマから電車で1時間半ほどのオルヴィエートという街から、チヴィタ・ディバニョレージョへの玄関口となる町バニョレージョまでバスで45分ほどですが、便数がかなり限られるので、効率良くまわりたい場合にはツアー参加がオススメです。ツアーの場合には、ローマから日帰りで、チヴィタ・ディ・バニョレージョとあわせて不思議な庭園・ボマルツォにも行けるツアーが多いので、ボマルツォについてもご紹介します。
日本のアニメ映画のモデルとなった場所のひとつではないかと言われています。崖の上にそびえ立つ小さな丘の上の街は、まさに天空の城のよう。
チヴィタ・ディ・バニョレージョ遠景
一方でチヴィタ・ディ・バニョレージョは、「死にゆく街」とも呼ばれています。周囲を流れる川や風雨による浸食が進み、更に地滑りや地震等で台地が崩落を続けてどんどん小さくなって浮島のように残されたこの村は、現在人口わずか10人弱になってしまっているようです。一方で観光客は増え続け、多い日には1万人以上が訪れます。
チヴィタ・ディ・バニョレージョへ渡る橋
チヴィタ・ディ・バニョレージョに行くためには、バニョレージョから約300mの長い橋を歩いて渡ります。
チヴィタ・ディ・バニョレージョの街並み
橋を渡ると、そこには小さくてかわいらしい街並みが広がっていました。その美しさは「イタリアの最も美しい村」のひとつにも選ばれています。
こんな美しい街がどうか消えゆかないよう願いながら、チヴィタ・ディ・バニョレージョを後にしました。
バニョレージョからボマルツォまでは、車で30分余りです。ボマルツォには、正式名称「ボマルツォの聖なる森」、通称「怪物公園」と呼ばれ、不思議な巨像が点在する庭園があります。その庭園は、オルシーニ公という貴族が16世紀に造園したとされており、なぜそんな不思議な庭園を造園したのかは諸説あるようですが、オルシーニ公が先に亡くなってしまった最愛の妻に捧げたとも言われています。それにしてもなぜ怪物だったのかは謎に包まれています。
地獄の口
庭園の中でも特に有名なのが、「地獄の口」です。怪物の口は人が入れるほどの大きさに開かれており、実際に口の中に立って写真を撮ることもできます。
巨人の戦い
他にも神話に登場する神や巨大な動物などの石像が、苔に覆われて森の中に溶け込み、なんとも幻想的です。
傾いた家
傾いた家のようなところに入って傾きを体感することもできたり、まるでアミューズメントパークのようですが、この場所が現代ではなく中世に作られたということに驚きます。
いかがでしたでしょうか。チヴィタ・ディ・バニョレージョとボマルツォのツアーでは1日で絶景と不思議な光景を楽しむことができます。ローマだけでも見どころいっぱいで忙しいと思いますが、ローマ滞在中に1日時間ができたらぜひ行ってみてください。