トラベル&ライフ2023年8-9月号の巻頭特集では「麗しき、オクシタニー地方」と題し、フランス南西部に位置するオクシタニー地方の魅力的な都市、トゥールーズ、カルカッソンヌ、アルビを中心にその見どころを紹介した。ここでは、そのなかでもラグビーワールドカップフランス大会で日本戦が行われることで注目を集めるトゥールーズの、本誌では紹介しきれなかった見どころを取り上げたい。
フランス第四の都市であるトゥールーズはパリのシャルル・ド・ゴール空港から国内線に乗り換えて約1時間20分。熱狂的なファンを持つ地元のラグビーチーム「スタッド・トゥールーザン」はヨーロッパ屈指の名門で、街のあちこちにクラブチームの旗が掲げてあったり、ラグビーに関連する店舗があったりとラグビー愛を随所に感じられる街だ。また本誌でも少しふれたが宇宙産業の都市でもある。ここでは、その象徴ともいえる施設「シテ・ド・レスパス」を紹介しよう。
「シテ・ド・レスパス」は、トゥールーズの市内中心部から車で20分ほどのところにある。〝シテ・ド・レスパス〟とはフランス語で〝宇宙の街〟という意味で、宇宙の神秘から宇宙開発まで、宇宙について楽しく学ぶことができるテーマパークだ。
屋内展示の常設展示のスペースはなんと約4,000m²。広々とした館内は宇宙や地球について学べるエリアや、気象やロケット、衛星の機能を知ることができるエリアなどがある。一見、難しそうだが、これまでの宇宙服の変遷や打ち上げられたロケットの模型など展示もあるので、親しみやすい。また、エリアごとに映像を多用したり、タッチパネルでクイズ形式になっていたりと、より理解と興味を引くように工夫されているのが印象的だ。
見ものは火星の隕石やムーンストーン、これまで宇宙に行ったロケットの模型、フランスのロケットアリアン5のエンジンなど。さらに、ロシアのソユーズとミールの宇宙船など、実物大のモデルもある。
アリアン5の実物大の模型
屋外の展示も見逃せない。広さ4haの広大な敷地には、実物大のアリアン5がある。高さが53mと巨大で近くで見ると迫力がある。このほか、IMAXを使ったプラネタリウムもあり、1日たっぷりと宇宙を堪能できる。
自転車なら見どころを効率よく回れる
さまざま魅力を持つトゥールーズ。本誌で紹介した市街地の観光には徒歩もいいが、レンタサイクルもおすすめ。徒歩より少し遠くまで足を延ばせ、バスや電車を利用するより効率的に回れるのが魅力だ。
ガロンヌ川の美しい景色を楽しみながらのサイクリングはおすすめ
煉瓦の街を走ったり、ガロンヌ川に架かる橋を渡ったり。小さな公園を通るとメリーゴーランドがあったりと、目的地までの途中に発見があるのも楽しい。トゥールーズの風を感じながら街を走れば、旅がより思い出深いものになる。
市街地の小さな公園にあったメリーゴーランド。
取材協力=トゥールーズ観光局(Toulouse Tourisme)www.toulouse-visit.com
オクシタニー地方観光局(Destination Occitanie)www.tourisme-occitanie.com
フランス観光開発機構(Atour France)www.france.fr/ja
シテ・ド・レスパス
www.cite-espace.com/