ひまわりの里
ひまわりの里

北竜町 200万本のひまわり畑

季節を感じる日本の旅
2023年07月14日
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旅行記

大きなひまわりの花が太陽に向かって一斉に咲く。どこまでも続くひまわり畑の黄色と空の青のみごとなコントラスト。子どもの頃に読んだことのある物語の世界、いつか観た映画の世界へと入り込んだかのようだ。
北海道の中央部、空知管内北部に位置する北竜町にあるひまわりの里では、毎年7月下旬から8月中旬にかけて「ひまわりまつり」が開催され、23ha(東京ドーム約5個分)という広大な敷地には約200万本のひまわりが咲き誇る。その規模は日本最大級で、北海道ならではのダイナミックなひまわり畑を楽しもうと毎年多くの人が訪れる。

夏の風物詩ひまわり 夏の風物詩ひまわり

北竜町でひまわりが植えられるようになったのは、昭和54年(1979年)にヨーロッパの視察研修に参加した農協職員が、旧ユーゴスラビアの上空から見た一面に広がるひまわりの美しさに感動したのがきっかけだった。当時そのひまわりは食用油を採るために植えていたとのこと。ひまわり油は、コレステロールを減らす効果があり、高血圧や動脈硬化などを防ぐオレイン酸とアンチエイジング効果が期待できるビタミンEを多く含み体に良いことから、食生活の改善のために食用油をひまわり油に替え、また、環境美化につながる事からひまわりを植え始めるようになったという。

ハイブリッドサンフラワー ハイブリッドサンフラワー

昭和55年(1980年)からは、農協婦人部が1戸につき1aひまわりを植える運動を展開。ひまわりの数は年々増え続け、昭和62年(1987年)には第1回ひまわりまつりが開催された。その後も、台風や竜巻などの被害に遭いながらも、北竜町の人達の協力によってひまわり畑は大切に守られてきた。現在も毎年6月下旬になると町民ボランティアによって草取りが実施されているという。
植えられているひまわりの品種は、景観形成作物として開発され、花径30cmほどの大輪花をもつブリッドサンフラワーのほか、少し背が低く開花時期が異なる夏りんぞうだ。

ひまわり迷路 ひまわり迷路

トラクターが引く遊覧車 トラクターが引く遊覧車

「ひまわりまつり」では、約12分かけてひまわりの里内を一周するトラクターの遊覧車「ひまわり号」、ひまわり畑の中を歩く巨大な「ひまわり迷路」などがあり、ゆっくりと時間をかけて広大なひまわりの風景を心ゆくまで楽しむことができる。

世界のひまわりコーナー 世界のひまわりコーナー

中でも、毎年人気を集めているのが「世界のひまわりコーナー」だ。ここでは、北竜中学校の生徒が種を植え、育て上げた世界各国約24種類のひまわりが観賞できる。各国のひまわりは大小さまざまで、黄色だけでないのもおもしろい。今年は7月26日に生徒によるひまわりガイドが行われるので、それぞれのひまわりの特徴や、育てたときの苦労話なども聞いてみるとおもしろいだろう。その他、期間中は演奏会や北竜盆踊り大会といったイベントなども開催。併設の観光センター内ではひまわりソフト等軽食やメロン・スイカ等特産物の買い物も楽しめ、期間中、ひまわりの里は大変なにぎわいを見せる。

なだらかな丘に広がるひまわり畑 なだらかな丘に広がるひまわり畑

今年で37回目を迎える「ひまわりまつり」の開催期間は7月22日(土)~8月20日(日)。日本最大級のひまわりの祭典では、約200万本のひまわりが咲き誇る圧巻の風景が待っている。

協力・写真提供=北竜町産業課商工ひまわり観光・林務係 文=磯崎比呂美
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