長崎 九十九島へ、絶景を探しに

にほん絶景探訪
2023年04月28日
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国内旅行
旅行記

エメラルドブルーの海の中に入り組んだリアス海岸といくつもの島々が浮かびあがる。生い茂る木々の緑と海の青とのコントラストが素晴らしい。これは長崎県の佐世保から平戸の海岸線にかけて広がる景勝地「九十九島(くじゅうくしま)」である。
「九十九」とは、数えきれないほどたくさんという意味がある。その名のとおり大小208の島が浮かび、その密集度は日本一ともいわれ、昭和30年(1955年)にはそのほぼ全域が西海国立公園に指定され、以来手つかずの自然がそのまま残されている。

「九十九島」の風景を楽しむのなら、佐世保市が認定したビュースポット「九十九島八景」(石岳展望台、弓張岳展望台、鵜渡越展望台、冷水岳公園、長串山公園、高島番岳、展海峰、船越展望所)を訪れるのがいいだろう。それぞれに見られる風景やおすすめの時間帯が異なるので、ビュースポット巡りをしてみたい。

石岳展望台 石岳展望台

石岳の頂上に位置する「石岳展望台」は標高191m。ここからの景色はハリウッド映画の『ラストサムライ』の冒頭に登場するほど印象的で美しい場所だ。大小さまざまな島が浮かぶ西海国立公園ならではの風景はもちろんのこと、市街、造船、軍艦などが融合した佐世保を象徴する景色が一望できる。特に夕暮れ時は佐世保一の美しさといわれ、まるで水墨画のように島々が浮かび上がる。

展海峰 展海峰

「展海峰(てんかいほう)」は、昭和56年(1981年)に整備された比較的新しい展望台だ。「俵ヶ浦(たわらがうら)半島」の中央部に位置し、九十九島の大自然を眼下に、佐世保港から大島・崎戸島までが見渡せる。干潮時に3つ・満潮時に1つの島になる黒小島も見えるのでぜひチェックしたい。

弓張岳展望台 弓張岳展望台

夜景を見るのなら日本の夜景百選にも選ばれている「弓張岳展望台」がおすすめだ。「弓張岳」の山頂にあり標高は364m。造船所のクレーン、海上自衛隊や米海軍の艦船などで賑わう佐世保港は、夜になるとオレンジ色の明かりが灯り暗闇の中で美しく浮かびあがる。

九十九島観光公園 九十九島観光公園

九十九島の新たなビュースポットとして2021年にオープンした「九十九島観光公園」。約4.7haの広大な芝生広場の丘「眺望の丘」からは、九十九島の大パノラマを楽しむことができる。佐世保らしい、空と海と島々がダイナミックに広がる風景は圧巻だ。早くも佐世保の新名所として人気を集め、また地元の人たちの憩いの場としても使用されている。

九十九島遊覧船パールクィーン 九十九島遊覧船パールクィーン

展望台で九十九島の風景を堪能したら、今度はリアス海岸とたくさんの島々が生み出す迷路のような風景の中を進むクルージングを楽しむのもいいだろう。大型遊覧船や小型遊覧船なら、気軽に冒険気分が味わえる。人が暮らしている「黒島」、「高島」へとフェリーで訪れたり、九十九島と佐世保港に囲まれた俵ヶ浦半島でトレイルを楽しむのもおすすめだ。

九十九島かき 九十九島かき

また、「九十九島かき」「九十九島いりこ」「九十九島とらふぐ」など、九十九島の豊かな自然に育まれたグルメも忘れずに。

大自然が生み出したさまざまな魅力に溢れる「九十九島」へ。リアス海岸と島々、ここにしかない風景は、今もなおゆっくりと時を刻んでいる。

写真提供=(一社)長崎県観光連盟 協力=(公財)佐世保観光コンベンション協会 文=磯崎比呂美
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