幕末の日本を象徴する人物の一人、勝海舟。
実は、東京・大田区とのゆかりが深いことをご存知でしょうか。
勝海舟は、風光明媚な風景に魅せられ、洗足池畔に別荘「洗足軒」を構えました。また、没後は遺志により、その近くに埋葬され、「勝海舟夫妻墓所」には、時代を超えて今も多くのファンが訪れています。
2019年9月、大田区に開館した「大田区立勝海舟記念館」は、実物資料展示はもちろん、海舟の言葉や一生を辿れるコンテンツが充実しています。その足跡に触れながら、幕末という激動の時代を生き抜いた海舟という人物を深く知ることができます。
海舟は名言、格言の類がとても多いことでも有名です。そのような海舟の言葉で生き方や想いを伝えるコーナーが「海舟ブレイン」です。「人生哲学、生き方、処世術」「国のあり方」「人物評」など、それぞれのカテゴリーに分けられた海舟の言葉を、プロジェクター映像でわかりやすく知ることができるビジュアルコンテンツです。
「行蔵(こうぞう)は我に存す。毀誉(きよ)は人の主張」
―行いは己のもの。批判は他人のもの。わしのあずかり知らないことだ―
この言葉は福沢諭吉が著した『痩我慢の説』で江戸無血開城の経緯と身の処し方を福沢に批判された際に返答した言葉です。福沢の批判に対し攻撃しているわけではなく、実際にはこの言葉の前後に福沢へ感謝の言葉も連ねています。
~超越と大局~
「人はなんでも範囲を脱しなくちゃいけないよ。眼を大局に注がなくちゃいけないよ」
封建社会の中にあって現代にも通じる哲学を持ち、実践していた海舟の本質がよく現れている言葉です。
~逆境こそ成長の糧~
「人は逆境に立たなけりゃほんものじゃないよ。おれなんぞは五十年の間逆境にばかり立ち通しだったよ。おかげで人生の呼吸は十分に会得したよ」
この言葉は46歳の時に江戸と日本の命運を背負い、西郷隆盛との会談に臨んだ海舟が発したからこそ説得力を持つ言葉です。
江戸幕府の中において、当時としては合理的で現実主義者だった幕臣・勝海舟。しかしその徹底したリアリズムの奥底には愚直なまでの「誠実さ」と「信念」があったのではないでしょうか。
「海舟ブレイン」をはじめ、海舟の歴史を年表と実際の資料展示で見せる「海舟クロニクル」、CGの咸臨丸が見られる「時の部屋」など、勝海舟の想いを感じることができる「大田区立勝海舟記念館」。生き辛いといわれる現代、生き方のヒントを探しに出かけてみませんか。
その他のコンテンツや大田区立勝海舟記念館の詳細はユニークおおた特集ページをご覧ください。
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