トラベル&ライフ2023年2-3月号の特集で訪れたハワイのオアフ島。約3年ぶりのハワイ特集は改めてその魅力に目を向けようと、〝観光の王道〟を取り上げた。そのひとつがイオラニ宮殿。1882年、7代目カラカウア王とカピオラニ王妃の公邸として完成し、ハワイ王朝の外交の場として活躍した。
カラカウア王は、〝メリーモナーク(陽気な王様)〟と呼ばれて親しまれた王様で、カラカウア通りとクヒオ通りの交差点近くには王の銅像が立っている。彼の功績のひとつが、キリスト教宣教師によって禁止されていたフラを復活させたことだ。現在もハワイ島では毎年彼の愛称を冠したフラの大会が開かれている。また、後に王位を受け継ぐ妹のリリウオカラニ女王と共に音楽家であり、彼らが作った曲は数多く残っている。
大広間の大階段も見どころのひとつ
イオラニ宮殿には見どころが数多くある。ハワイ王朝の歴代の国王や王妃の肖像画が掲げられた大広間や、建築当時のシャンデリアが輝く「王座の間」、ハワイ王朝が転覆してリリウオカラニ女王が幽閉された際に作ったキルトなどがあり、それらを日本語のガイドにより興味深い話を聞きながら見学できるガイドツアーは本誌で紹介した通り。
リリウオカラニ女王が作ったキルト
日本語ツアーのガイドのマナ・アサヒナさん
ガイドツアーの後にぜひ足を運んでほしいのが、地下1階のギャラリー。勲章や宝飾品が展示されているほか、当時の様子を復元した厨房や執務室などを見ることができる。
また、敷地内には、王室の歴史がわかる資料や特製のオーナメントなどを販売するショップもあり、おみやげにもぴったりだ。
11月16日のカラカウア王の誕生日を祝して、1週間にわたり生誕祭が行われる。取材で訪れた11月17日はちょうどその期間中ということもあり、宮殿にはハワイ王朝時代の特別な装飾が行われていた。柱などが赤と白、青の3色の布で装飾され、入口にはカラカウア王とハワイ王朝の旗が飾られている。その姿は一層威厳に満ち華やかだ。
ハワイアンカルチャーの代表格ともいえるウクレレ。本誌で紹介した老舗メーカー「カマカウクレレ」があるカカアコ地区はウォールアートで一躍有名になったエリアでもある。
ウォールアートは地域の活性化を目的に行われたアートイベント「POW!WOW!HAWAII(パウ!ワウ!ハワイ)」がきっかけで描かれ、その数は50以上ともいわれている。これらの作品は、基本的には毎年2月上旬に1週間かけて書き替えられる。毎年新しい作品を見られるのもうれしい。