大通公園会場(2020年)
大通公園会場(2020年)

3年ぶりに開催!さっぽろ雪まつり

季節を感じる日本の旅
2023年01月16日
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旅行記

大通公園に巨大な雪像が立ち並び、すすきのに幻想的な氷の彫刻が展示される。雪国ならではの雪と氷の世界。そんな美しい風景を求めて毎年250万人もの人が訪れる「さっぽろ雪まつり」が、今年2月4日から11日まで3年ぶりに開催される。

タイの『チャックリー・マハー・プラサート宮殿』(2007年) タイの『チャックリー・マハー・プラサート宮殿』(2007年)

「さっぽろ雪まつり」の起源は、旧小樽市立北手宮小学校で開かれていた「雪まつり」がルーツになっているといわれる。そして昭和25年(1950年)、大通公園に札幌市内の中高生たちが6つの雪像を制作したのをきっかけに、雪像の展示だけでなく雪合戦やカーニバルなども開催し、5万人もの人が集まった。予想以上の反響に、翌年には市の年間行事に認定され、札幌市民の冬のイベントとして定着していった。

昭和28年(1953年)には、高さ15mにもおよぶ大雪像「昇天」が造られ大きな話題となった。制作には約1000人が携わり、これを機に巨大雪像が造られるようになったという。翌年には市民の製作した雪像も並び、昭和30年(1955年)には自衛隊が初めて参加し、高さ10mのマリア像「栄光」が精巧な造りで話題をさらった。昭和49年(1974年)からは国際雪像コンクールを開催し、ミュンヘンやシドニーなど札幌とつながりのある外国地域の雪像も制作され、以来国際色あふれるイベントとして発展した。

一つひとつ緻密な作業が行われる(過去開催時) 一つひとつ緻密な作業が行われる(過去開催時)

足場を組んで大勢の人たちで雪像を造り上げる(過去開催時) 足場を組んで大勢の人たちで雪像を造り上げる(過去開催時)

巨大な雪像を作るには、札幌近郊できれいな雪を採雪して会場まで運び、足場を組んで大型重機で雪を押し固めながら積み上げる。しばらく寝かせてから粗削りをした後、細部の彫刻を行い、事前に準備したパーツなどを付け加えながら仕上げていく。大きな雪像1基で5tトラック約600台分の雪が必要とされ、毎年1月になると札幌市内では雪を山積みにした陸上自衛隊のトラックが行き交う様子を見かけるようになるという。

今年も豊平館の雪像が登場する(過去開催時) 今年も豊平館の雪像が登場する(過去開催時)

大雪像にはそれぞれテーマがあり、模型とともに毎年12月下旬に公開される。大通会場の今年のテーマは、「白亜紀の北海道~ティラノサウルス&カムイサウルス~(4丁目 STV広場)」、「疾走するサラブレッド(5丁目 道新 雪の広場)」、「すべての医療従事者に感謝を込めて フローレンス・ナイチンゲールの偉業を偲ぶエンブリー荘(7丁目 HBC広場)」など、北海道の歴史や環境に基づくものから人気TVアニメのキャラクターと、子どもからお年寄りまで幅広く楽しめる内容となっている。

魚を氷に閉じ込めた魚氷(過去開催時) 魚を氷に閉じ込めた魚氷(過去開催時)

すすきの会場では「氷を楽しむ」をテーマに、好評の魚入りの氷像や氷彫刻コンクール作品など60基を展示。開催期間中は時間帯指定で車両通行止めになっているので、ゆっくりと鑑賞することができる。

美しい氷像が並ぶすすきの会場(過去開催時) 美しい氷像が並ぶすすきの会場(過去開催時)

さっぽろ雪まつり実行委員会は、「今年は、大通会場の開催も1丁目から10丁目まで(例年は12丁目まで)、また雪と触れ合えると人気のつどーむ会場の開催は見送られるなど縮小規模ですが、新型コロナウイルス感染症対策を十分に施した上での開催です。さっぽろ雪まつりの醍醐味である巨大な雪像や美しい彫刻をぜひゆっくりと鑑賞していただきたいです」と語る。待ちに待った「さっぽろ雪まつり」の開催。ぜひ真っ白に染まった札幌の町を訪れてみたい。

協力=さっぽろ雪まつり実行委員会 写真提供=札幌観光協会 文=磯崎比呂美
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