トラベル&ライフ10-11月号の取材で奈良に出かけたのは、7月中旬。
東京も暑いが、奈良もかなり暑かった。
近鉄奈良駅に降り立ったのは、昼過ぎ。カメラマンのTさんと、まずは腹ごしらえをしましょうと、駅近くの「天理スタミナラーメン」に入った。
なぜ「天理スタミナラーメン」なのかというと......。
ラーメン好きな筆者は、取材先ではたいてい一度はご当地のラーメンを食べることにしている。実は奈良の取材が決まった際に、奈良に詳しい知人に「京都には色の濃い京都ラーメンがあるけど、奈良にもラーメンはありますかね?」と尋ねると、すかさず「あります。天理スタミナラーメン!」。
というわけで、近鉄奈良駅から迷わず直行したわけだ。
味噌味の天理スタミナラーメン
注文したのは、味噌味の天理スタミナラーメン800円。
豚バラ肉、白菜、モヤシ、ニラなどをニンニクや豆板醤とともに炒めた具が、どっさりとのっている。スタミナラーメンというからかなり辛いか?と思っていたが、さほどではない。ちょっとピリ辛という程度で、コクがあってマイルドな味わいだ(ただし、食べ終わる頃には体がほかほかしてきたが...)。麺はやや細めのストレート麺。スープと具が混然一体となって、なかなかのおいしさであった。
暑い奈良でホットなラーメンを堪能し、奈良ホテルへ。荷物を預けて奈良公園へ向かう。この日は36℃近くもあり、しかも広大な園内はほとんど日陰がないから大変だ。何度も自動販売機で冷えたお茶を買い、水分補給につとめた。
奈良公園はどこを歩いても鹿がいる
さて奈良公園といえば、鹿。現在、奈良公園一帯には約1200頭が生息している。
どこを歩いても鹿の姿があり、人間を怖がることもなく平気で寄ってくる。
奈良の鹿は春日大社の神の使いとして、古くから大切にされてきたのである。奈良の鹿が「神鹿(しんろく)」とされるのは、春日大社の祭神の武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、白鹿に乗ってこの地に来た...という伝説があるからだ。
つぶらな瞳が可愛らしい鹿だが、国の天然記念物に指定されている野生動物で、決して飼育されているわけではない。誰かが餌を与えているのではなく、鹿は奈良公園の芝や木の実、木の葉などを食べて生活している。
したがって、むやみに鹿に人間の食べ物を与えるのはルール違反。園内で販売している鹿用の「鹿せんべい」以外は、あげないことだ。
最後に奈良公園周辺散策のアドバイス。とにかく広大なので、東大寺、春日大社、興福寺などを徒歩で巡るとなるといささか疲れる。そこで利用したいのが、レンタサイクルだ。近鉄奈良駅近くや、奈良ホテルにも用意されている。