上野の絶品カツレツと渋谷の絶景スポット

トラベル&ライフ 取材こぼれ話
2022年09月22日
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国内旅行
旅行記

トラベル&ライフ2022年10-11月号の特集は「銀座線で巡る魅力のスポット」。日本初の地下鉄として開業した銀座線の浅草、上野、銀座、渋谷駅で下車し、東京屈指の魅力あるスポットを訪ねた。

看板メニューのカツレツ

そのひとつが上野にある「ぽん多本家」。宮内省(現・宮内庁)に務めていた初代が、気軽に洋食を味わってもらおうと明治38年(1905)に開業した洋食専門店だ。看板メニューは、創業当時からのこだわりを守って作られるカツレツ。豚肉は、銘柄や産地ではなく、あくまでも肉質にこだわり、確かな目利きで選んだロースを使い、そのロースの周りの脂身を全て取り除き、芯の部分だけを使う。取り除いた脂身で自家製ラードを作り、カツレツにコクを加える。この自家製ラードこそが味の決め手で、毎日1~2時間かけて作るそうだ。

ロースの周りの脂身。これで自家製ラードを作る
ロースの周りの脂身。これで自家製ラードを作る

低温の油でゆっくりと揚げる
低温の油でゆっくりと揚げる

110度~120度という低温の油で肉にストレスをかけることなく揚げたカツレツは、やわらかく、揚げ物なのにあっさりとしていて軽い。もちろん、豚肉の旨味もコクある。そのカツレツのおいしさと同じくらい、目を見張ったのが一緒に添えてあるキャベツ。ふんわりとして歯ざわりの良いこと!! 

「キャベツは芯をとって、葉脈に垂直に切ることでふんわりと軽い歯ざわりに仕上がります」と教えてくれたのは、4代目の島田良彦さん。初代の孫にあたる。
細部にまで行き届いた心配りが長年愛される所以だろう。 「カツレツの作り方もキャベツの切り方も、全て初代から変わらずに引き継いでいます。この店は家業ですから、自分の代でやり方を変えるのではなく受け継いでいくもの。言ってみれば僕はリリーフです。受け継いだものを次に渡して、後で振り返ったら続いていて味も守られているというのがいいですね」と笑う。
厨房では息子さんも働き始め、次世代へのバトンは繋がっている。

東京の眺めを堪能できる「SHIBUYA SKY」

再開発が続く渋谷の新しいランドマークとしておなじみとなった「渋谷スクランブルスクエア」。高さは約230mと渋谷随一で、そのロケーションを生かした展望施設「SHIBUYA SKY」が人気を呼んでいる。本誌では紹介しきれなかった展望施設の内部を紹介したい。

46階の屋内展望回廊「SKY GALLERY」

まずは、46階の屋内展望回廊「SKY GALLERY」。名前の通り、回廊式なので東京の街を360度眺めることができる。随所にソファーシートも置かれているので、快適な空調の中でのんびりとくつろげるのもうれしい。

一角にはショップも併設

一角にはショップも併設

また、一角にはショップも併設。お菓子やパズル、ミニ盆栽グッズなどさまざまなアイテムが揃うので、東京みやげや入場記念の品も手に入る。

屋外展望空間「SKY STAGE」の中央にはヘリポート

屋上展望空間「SKY STAGE」の中央にはヘリポートがあり、人工芝の上に腰を下ろしておしゃべりに興じる姿も見られ、まるで公園のようでのどかな雰囲気も魅力だ。

2023年1月9日まで期間限定のルーフトップバーや屋内回廊、のどかな屋上などそれぞれに好きな場所で、青空が広がる昼間、夕暮れ時、高層ビル群に明かりがともる夜と、時間によって刻々表情を変える東京の表情を存分に楽しめる。

文・木村理恵子 写真・葛西亜理沙
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