アイルランド 本格料理が食べられるカフェを紹介!

海外現地ライター便り
2022年08月12日
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旅行記

ここ10年間のあいだにヨーロッパでは「Wholesome」という言葉を耳にする機会が増えました。「健康で体に良い」という意味の言葉ですが、Wholesome foodは、食べることで心も体も満たされるようなニュアンスがあります。そんな健康的でおいしい料理をもう30年近く前から提供しているカフェが、アイルランド北西の街カソルバーにあります。今回は、地元産の新鮮な食材を使った自家製料理の元祖「Cafe Rua」(カフェ・ルア)をご紹介します。

今回のお目当てであるCafe Ruaは、実は行列のできる人気店で、開店時間の9時に行かないとすんなり入れることはありません。そこで、朝一のバスに乗って現地へ向かいました。

朝市

朝市

行列ができる前にと急いでいたのに、なぜか細路地にふらっと引き寄せられてしまいました。少し進むと朝市が開かれており、今年の悪天候にもかかわらず見事な出来のレタスやズッキーニ、イチゴなどが並んでいます。

オーガニック・ファームを営むエリカさん

カナダから移住してオーガニック・ファームを営むエリカさんからお話を聞いているうちに、Cafe Ruaでこちらのオーガニック野菜がたくさん使われていることが分かりました。なんという偶然でしょう!これからいただく料理の野菜を作っている農家さんから、野菜づくりに込める熱い思いをお聞きしたことで、料理がいっそうおいしく感じられそうでした。

Cafe Rua

Cafe Rua

さて、Cafe Ruaに到着すると、寄り道をしてしまったせいか、もう店内は満員です。店内では私を含めて3組も並んでいました。
席が空くのを待っている間に、列に並んでいた常連のお客さんからお話を聞くことができました。27年もの間毎週こちらのカフェに通われているそうです。そんなにも長い間、ずっと変わらぬ美味しい料理を提供してくれることが魅力だと語っていました。

店内のメニュー

今回注文したのは、スペシャルメニューの『Monkfish Scampi, Tartare sauce, Pickled Courgettes and Sauteed spuds』。
手に入る鮮魚は、日によって違います。毎日大きな市場でせりが繰り広げられる日本では、ある程度安定して同じ魚介類を手に入れることができますが、アイルランドでは大きな市場もせりもありません。その日運よく魚が釣れれば、Fishmongarと呼ばれる魚屋が買取り、そこからカフェへ供給されるそうです。

スペシャルメニューの『Monkfish Scampi, Tartare sauce, Pickled Courgettes and Sauteed spuds』

まず、漬物とサラダからいただきました。先ほど朝市に並んでいたズッキーニの漬物がパリッとしてとても新鮮な食感です。自家製酢の熟成された香りが噛むごとに口の中に醸し出されます。採れたての旬の野菜を食べるだけで人はこれほどまでに幸せな気分になれるものなのだな、と実感しました。

次に、自家製チップスをいただきました。ポテトフライのことを、アイルランドではチップスといいます。甘味があるジャガイモを上質の油でカリっと揚げており、噛んだ瞬間になんだか楽しい気分にさせてくれます。

メイヨー県西端にあるアチル島(Achill Island, 正しい発音はアコル・アイランド)産の岩塩でシンプルな味付けですが、味わい深い岩塩がジャガイモの素材の味をさらに引き立てているようでした。こちらの岩塩はお土産用に購入。1瓶4ユーロでした。料理が楽しくなりそうです♪

モンクフィッシュ

最後に、モンクフィッシュをいただきました。日本でいうフグのようなもちもちとした食感が特徴的です。とても新鮮な魚であることは、一口食べれば分かります。魚のなんとも言えない甘味のある風味が口の中にひろがり幸せな気分になりました。

デザートには、スペシャルの「Poached Irish Rhubarb and Raspberry Pavlova」

デザートには、スペシャルの「Poached Irish Rhubarb and Raspberry Pavlova」を注文。ルバーブは、甘酸っぱい酸味が特徴の野菜です。昔はアイルランドの多くの家庭で、母親が庭で育てたルバーブのデザートを子供たちに食べさせたそうです。最後はCafe Ruaのオリジナルブレンドコーヒーの濃厚な味で締めました。

Cafe Ruaのオーナーのお母さま

「Cafe Rua」は1995年に誕生しました。もともとホテルで働いておられたオーナーのお母さまが、当時はとても珍しかったWholesome foodを提供するカフェを立ち上げました。地元の人に愛され続けるCafe Ruaの27年間の歴史には、新鮮な食材を提供する地元の人達の真心、そして手間ひまかけて作られた自家製料理を提供しつづけたシェフの真心が詰まっているのですね。運よくCafe Ruaをとりまく人たちとお話ができて、とてもインスパイアさせられた一日でした。

CAFE RUA, New Antrim Street
住所:2 New Antrim St, Knockthomas, locations, Co. Mayo, F23 E177, Ireland
営業時間: 9:00~17:00
定休日: 日曜日

Glasrai Organic Farm(今回取材した朝市のオーガニックファーム)
マーケットスクウェアで毎週金曜日に朝市開催(基本年中無休)
住所: Shambles street, Castlebar, Co. Mayo

文・写真=maroon
※掲載の情報は、変更となる場合があります。
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