「今度朝ごはんに行かない?」
飲食店などを除いて、ほとんどのお店が休みの日曜日、友達と外で会うとしたら、カフェでのんびり朝食というのが王道パターンのドイツ。日本でいう「ランチに行こう!」の感覚で、ドイツでは朝食に繰り出すため、冒頭のお誘い文句をよく耳にします。
そのため、カフェに行けば「Frühstück(朝食)」メニューがほぼ必ずあり、しかも、朝食の提供時間が午後までと長いのが特徴的。長いところでは18時までと、もはや夜ご飯なのでは?という時間でさえも朝食を味わうことができるのです。そして休日ともなると、テーブルには、朝から「予約席」のプレートがずらり!
朝食のバリエーションは、サンドイッチ、クロワッサン、パンケーキ、フムス、アサイーなどのヘルシーボウル‥‥といった具合に、カフェによってさまざま。なかでもおすすめしたいのが、かごに数種のパンを盛ったBrotkorbがついてくるメニュー。何を隠そう、ドイツは3,000種以上ものパンを有する"パン王国"!! せっかくのドイツ旅で、パンをはずすわけにはいきません。パン屋さんだとどれを選んだらいいか迷いそうですが、朝食メニューなら、そのカフェが厳選したドイツパンをいろいろ堪能できます。
どのカフェもおいしい朝食メニューを提供してくれますが、今回訪れたのは、ゲーテハウスにほど近いCafe Karin。1993年のオープン以来、古くは学生、今では幅広い年齢層のお客さんでいつも賑わっています。フランクフルトのエリア名にちなんだ朝食メニューの中から、「Osthafen」をチョイス。パン数種(この日は小型パン、黒パン、水酸化ナトリウム水溶液につけて表面が茶色くなるように焼いたLaugenbrötchen)、バター、サーモン、ハーブなどを合わせたフレッシュチーズ、アボカド、ゆで卵、フルーツがセットで14.80ユーロ。一見シンプルなラインナップですが、フレッシュチーズに添えられたザクロが味のアクセントになり、ゆで卵はちょうどいい半熟具合、半個分もあるアボカドはぜいたくにスプーンですくってパンにのせられるし、ひとつひとつがなんともいい味を出しています。
これだけで十分な量ですが、クロワッサンやハム、チーズ、ミューズリーなど、お腹の減り具合に合わせて追加することが可能(別料金)。お店の壁にちょこんとしつらえられた小棚にはカラフルな小瓶ジャム(各0.50ユーロ)が並んでおり、好きなものを自分でピックアップできるというのも楽しいです。
この日は天気がよく、テラス席が満席だったので、店内は比較的ゆったり。天井が高くて開放的な空間は居心地がよく、友達や家族とワイワイいただくのもいいけれど、テキパキ働くスタッフを眺めたり、読書をしたりしながら、ひとりで味わうのもオツなもの。
こんな穏やかな時間を過ごしていると、ドイツ人がなぜ朝からカフェで過ごすのか、何となくわかってきます(笑)。みなさんも、ドイツの味とともに、ローカルの人たちの雰囲気をぜひ楽しんでくださいね。
Cafe Karin
Großer Hirschgraben28, 60311 Frankfurt