マンハッタン市内から遠出をしたい時におすすめの美術館が、ニューヨーク近郊のディア・ビーコン(Dia:Beacon)です。現代アートの宝庫として知られているこの美術館は、広い空間を使ってダイナミックに展示をしていることでも有名。ニューヨーク市内には多くの美術館がありますが、この美術館は郊外の隠れ家的存在で、とにかく魅力が満載。今回はディア・ビーコンまでの行き方や展示作品についてお伝えします。
ビーコン(Beacon)はハドソン川沿いに位置する可愛らしいアートの街で、自然が豊か。ニューヨーク市内から週末を利用して訪れる人が多く、お洒落なレストランやカフェ、雑貨屋さんが立ち並びます。ディア・ビーコンがオープンして以降、多くのアーティストがニューヨーク市内からビーコンに移住して来たのでアート・ギャラリーが多いのも特徴です。
ビーコンまでは、始発のグランドセントラル駅からメトロノース鉄道のハドソンラインで約1時間半。電車はハドソン河沿いを走るので、車窓からの眺めも楽しめます。目的地のビーコン駅からディア・ビーコンまでは徒歩10分ほど。
ここでおすすめしたいのは、メトロノースの往復電車賃とディア・ビーコンの入場料がセットになっているパッケージ。グランドセントラル駅の窓口や構内の券売機で購入ができ、大人$40、12歳~18歳は$36.75。5歳以下のお子様は$2。
現代アートを代表する1960年代のアーティストが結集したディア・ビーコン。美術館の中に一歩足を踏み入れると、想像を遥かに超えた広大な空間に驚くことでしょう。1929年創立のナビスコのパッケージ印刷工場跡を改装し、2003年に現在の現代アート美術館としてオープンしました。建物自体も歴史が古くとても貴重な存在で、「国家歴史登録材」にも指定されています。天井がとにかく高く、窓の多い造りとなっているので開放感がいっぱい。
まずはアンディ・ウォーホルの展示から見ていきましょう。20世紀のアメリカンアートを代表するアーティスト。同じデザインと異なる色の組み合わせを使ってアートが表現されており、明るくカラフルで圧巻です。72枚にも及ぶキャンバスを360度で展開するシルクスクリーンが楽しめます。
照明器具を使用したダン・フレイビンの作品はこちら。ミニマリズムを代表するアメリカ人アーティストで、大きな窓から入る自然光とピンクのライトの調和に心が踊ります。とにかく美しく、素晴らしい作品です。
彫刻家リチャード・セラの作品はスケールの大きさに圧倒されます。鉄板を使ったこの作品はただ鑑賞するだけでなく、実際にその内部に入ることもできる体感型のアートとなっているのが面白いです。
地下には、照明アートで有名なフランス人アーティスト、フランシス・モレットの作品が楽しめます。「No End Neon」という名の幻想的なアートは、地下の薄暗い部屋を利用し、61本の蛍光灯で彩られていてとても幻想的。
ディア・ビーコンのおすすめは実は展示だけではなく、出口付近に併設されたカフェや本屋さんも人気。外には芝生エリアと小さな公園があり、そこでピクニックもできます。
アート好きな人はもちろん、そうでない人でも丸1日楽しめる美術館ディア・ビーコン。ビーコンのダウンタウンもアートな雰囲気が漂い、お洒落で魅力たっぷり。マンハッタンからも電車で簡単に行くことができるので、週末旅行にもぴったりです。
Dia Beacon
3 Beekman Street, Beacon, NY
休館日:火曜、水曜、金曜
入場料:大人$12 子供12歳以下は大人同伴なら無料