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樹齢80年を超える老桜から若木まで約800本の桜が咲く海津大崎
樹齢80年を超える老桜から若木まで約800本の桜が咲く海津大崎

琵琶湖の湖畔沿いに咲く「海津大崎の桜」

季節の花だより
2022年03月31日
カテゴリー
国内旅行
旅行記

ひらひらと桜が舞い散る湖畔に4kmも続く桜のトンネル。碧く輝く湖水と湖に突き出した岩礁。桜と湖、そして東山連邦のコントラスト。自然が織りなすダイナミックな風景、その美しさに圧倒される。

滋賀県高島市、海津大崎(かいづおおさき)は、「暁霧・海津大崎の岩礁」が琵琶湖八景にも指定される、琵琶湖随一の景勝地である。桜の名所としても知られ、例年4月上旬頃には、湖畔に植えられた約800本のソメイヨシノが桜のトンネルを作り、多くの人で賑わいを見せる。

約4kmも続く桜のトンネル 約4kmも続く桜のトンネル

海津大崎の桜並木のなりたちについてはさまざまに言い伝えられている。昭和11年(1936年)6月に大崎トンネルが完成したのを記念して海津村(旧マキノ町)が植樹をしたことで、現在見られるような並木道になったといわれるが、それ以前より、地元の人が自費で桜の苗を植樹するなどその原型が造られていたという。

平成9年(1997年)には、地元の人たちが桜並木を守ることを目的とした「美しいマキノ・桜守の会」を結成。毎年除草・施肥・ゴミ拾いのほか、樹木医に委託して枯枝剪定や施肥などが行われ、この素晴らしい景観が保たれている。

地元の人々の手により、ソメイヨシノが美しく咲き揃う 地元の人々の手により、ソメイヨシノが美しく咲き揃う

海津大崎の桜を楽しむには、JRマキノ駅で下車し歩くのがいいだろう。駅から琵琶湖の方面に歩くと「湖のテラス」があり、ここから眺める琵琶湖と桜は素晴らしく、最初に立ち寄りたいビュースポットだ。左に曲がって湖岸沿いを歩き、海津1区のバス停で右に曲がり、右手に海津浜の石積を見ながら並木道を進んでいくと、左手に大崎観音の名で親しまれている大崎寺がある。右手側には海津大崎の美しい岩礁があり、桜の美しい風景とともに楽しむことができる。

この辺りは、歩行者専用の湖岸遊歩道も整備されているので、ゆっくりと散策が楽しめるだろう。マキノ駅から湖のテラス、大崎並木口まで、そして大崎並木口から大崎寺までは、それぞれ約2km、30分ほど。バスも運行しており、海津大崎口のバス停から大崎並木口までは約400m、5分ほどなので、体力に合わせて利用したい。

お花見クルーズ お花見クルーズ

カヌー カヌー

また、琵琶湖では、お花見クルーズも運行。さらにカヌーに乗って、アクティブに桜観賞を楽しむこともできる。湖上から一望する広大なパノラマは圧巻。地上からとは異なる風景は、また違った感動を与えてくれる。

海津大崎の桜は「日本さくらの名所100選」に選出されている。これは、地元の人たちの大きな誇りとなっており、先代から受け継がれた湖と山と岩礁、そして桜というほかにはない風景を後世につないでいきたいという強い思いがあるという。
今年もまた桜の季節がやってきた。今年は奥琵琶湖の海津大崎へ、地元の人たちが生み出し、育んできた桜を見に出かけてみたい。

足を延ばせば樹齢300年を超えるアズマヒガンザクラ「清水の桜」にも出え会る 足を延ばせば樹齢300年を超えるアズマヒガンザクラ「清水の桜」にも出会える

協力=高島市マキノ支所 写真=びわ湖高島観光協会 文=磯崎比呂美
※開花状況は気候により前後する場合があります。
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