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浅草の観光名所といえば浅草寺(写真提供=台東区)
浅草の観光名所といえば浅草寺(写真提供=台東区)

東京最古の寺院「浅草寺」

季節を感じる日本の旅
2021年12月29日
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国内旅行
旅行記

毎年、観光で国内外から多くの人が訪れる東京・浅草。東京の中心部にありながら、下町情緒あふれる街並みが広がり、寺社仏閣が点在する浅草は日本を代表する観光名所のひとつとして知られている。浅草の中心といえば、雷門が印象的な浅草寺である。浅草寺は、推古天皇36年(628年)に創建された東京最古の寺院で、江戸時代から「浅草観音」として庶民信仰の対象となった。

浅草のシンボルとなっている雷門(写真提供=台東区) 浅草のシンボルとなっている雷門(写真提供=台東区)

大きな赤い提灯がかかる雷門は、多くの人が立ち止まり記念撮影を行う写真スポットだ。雷門は浅草寺の入り口に立つ総門のことで、門の左右に風神と雷神が立つことから正式名称を「風雷神門」という。創建時期や雷門と呼ばれるようになった理由は明らかになっていないが、鎌倉時代には、現在の場所に移築され、風神雷神が安置されたといわれている。雷門は幾度も焼失し、再建が繰り返されている。

また、寛政7年(1795年)頃から提灯が奉納されるようになった。けれども、幕末の慶応元年(1865年)の火災により焼け落ちてからは、95年もの間再建されず、昭和35年(1960年)になって、松下電器産業(現パナソニック)社長・松下幸之助氏によって寄進され、再建が行われた。

季節の彩りが楽しい仲見世(写真提供=台東区) 季節の彩りが楽しい仲見世(写真提供=台東区)

雷門をくぐると、宝蔵門まで長さ約250mの表参道があり、両側には土産物屋やおもちゃ、お菓子など、約90もの店舗が並んでいる。これが、日本最古の商店街のひとつ、仲見世である。参拝者が増えてきた貞享2年(1685年)頃、浅草寺は付近の住民に境内の掃除をする代わりに、店を出す許可を与えたのが発祥といわれる。仲見世は幾度も被災し再建されたが、現在の仲見世を歩いてみると、電柱がないのに気が付く。また、電飾看板が統一されとてもすっきりとした印象だ。華やかに季節に合わせた装飾が施され、たくさんの人たちで賑わい、いつ訪れても祭りのような活気にあふれている。

ご本尊が安置されている本堂(写真提供=浅草寺) ご本尊が安置されている本堂(写真提供=浅草寺)

仁王像が立つ山門である宝蔵門を潜り抜けると本堂がある。本堂は聖観世音菩薩を祀り、観音堂とも呼ばれる建物のこと。本堂が作られたのは、推古天皇36年(628年)で、以来20回近くも被災し、再建。現在の本堂は、昭和33年(1958年)に完成した。ご本尊は本堂の中にある御宮殿(ごくうでん)に安置されている逗子の中に納められている。浅草寺では毎年開扉法要を行っているが、秘仏のためご本尊ではなく、そのお身代わりである「御前立ご本尊」の聖観世音菩薩が開扉法要中のみ拝することができる。

五重塔と宝蔵門(写真提供=台東区) 五重塔と宝蔵門(写真提供=台東区)

その他にも、五重塔や弁天山など見どころがたくさんあり、お参りをするだけでなく、日本の長い歴史や文化を感じることができる浅草寺。境内では、ほおずきや羽子板などの市が立ち、さまざまな季節の行事が行われ、今日も多くの人たちで賑わっている。

協力=浅草寺 文=磯崎比呂美
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