マレーシアはボルネオ島側と首都クアラルンプールがあるマレー半島側から成り、どちらも海に囲まれ無数の島々を有しています。ビーチリゾートも多く、世界中から観光やダイビングなどで多くの人が訪れます。
マレーシアの田舎ではバイクが主な交通手段のところも多い
マレー半島の西側といえば、手つかずの自然が残り、どこかのんびりした雰囲気と南国らしい強い日射し、青い空が印象的です。今回はその中からマレー半島東側のクアンタンのビーチをご紹介します。
晴天が続く乾季(4~10月)は海水も澄んでベストシーズン
クアラルンプールから西へ約280km、車で約3時間半の場所に位置するパハン州チェラティンは南シナ海に面した海辺の小さな町です。長い海岸線沿いには美しいビーチが点在することで知られています。どこも混雑していることは少なく、場所や季節によっては誰もいないビーチを独り占めできることもある極上のスポットです。
こちらは一見リゾートのように見えますが、誰でも訪れることができるチェラティンのパブリックビーチ(公衆海水浴場)です。穴場的な場所ゆえに主なアクセス手段は車(もしくはタクシー配車アプリの利用)となります。ビーチの前には駐車場があり、終日停めても2リンギット(約50円)ほど。
遊びに来たと思われるローカルの家族連れは、強い日射しを避けて木陰でのんびりと休んだり昼寝をしたりと思い思いに過ごしています。
目の前に広がるのは静かな海辺。風の中から波の音だけがわずかに聞こえてきます。ラグジュアリーなホテルのプライベートビーチとはまた違った贅沢な時間がそこにはあります。
チェラティンビーチの片隅にあるローカルカフェ
日射しが遮られた店内は海風が抜け意外と涼しい
ビーチの片隅にはカフェがあります。中に入ると常夏の日射しが入らない屋内は意外と涼しいことに気づきます。
メニューはマレーシアのホーカー(屋台街)でもよく見かけるナシレマ(Nasi Lemak=マレーシアの国民食とも言われる、米をココナッツミルクで炊いたもの)などの定番ローカルフードやドリンク類など。
せっかくなのでローカル気分で生ココナッツジュースを飲んでみましょう。1個7リンギット(約175円)。道路沿いの屋台で販売されている4リンギット(約100円)と比べると、やや高めでした。
東南アジアでもよく見かけるココナッツジュースは天然の経口補水液とも呼ばれ、汗をかいた体の水分補給にぴったり。マレーシアでは民家の庭先や畑の隅など至るところにココナッツの木が生えています。
店の入り口に山と積まれたココナッツの実を選ぶスタッフ
ココナッツの上部を切り取ると中にはジュースがたっぷり入っている
テーブルに座り注文をすると、カフェのスタッフが店先に積んであるココナッツを選びナタのようなもので上部をカット。ココナッツ自体が器になっていて、そこにストローを差してくれます。ココナッツの大きさにもよりますが、約400~500mlほどの無色透明でほんのりとした甘さのココナッツジュース が入っています。
ストロー以外にスプーンがついていることがありますが、これはココナッツの内側のパルプと呼ばれる繊維質の部分を食べるために使います。このパルプは栄養価が高くミネラルなども多く含むと言われています。
素朴なカフェからは静かでのんびりとした美しい海が望める
チェラティン周辺には高級リゾートホテルが多くあり、そのほぼ全てで整備されたプライベートビーチを有しています。またそれとは対照的に、ホテルの近くにも小さくて素朴なビーチがあるのも魅力です。
パブリックビーチのひとつチェラティンビーチ
ただ眺めているだけでも気持ちが癒されるクアンタンのビーチ。
都会の喧騒や慌ただしさから離れて、ローカル気分でゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
■チェラティンビーチ(Cherating Beach)
住所:Cherating, Pahang
※2021年12月現在の情報です。掲載の情報は変更となる場合があります。