トラベル&ライフ2021年12-1月号の極め旅で訪ねた福井県敦賀市。古くから昆布の加工地として知られているが、それだけでなく気比神宮をはじめ個性的な観光スポットが点在している。
敦賀市民に「けいさん」の愛称で親しまれている気比神宮は、大宝2年(702)に造営された由緒ある北陸道の総鎮守だ。参道に立って観光客を迎える真っ赤な大鳥居は高さ約11mもあり、春日大社や嚴島神社と並ぶ日本三大木造大鳥居のひとつに数えられている。
散策にうってつけの気比の松原
街中から港方面に向かうと、気比の松原がある。長大な砂浜に赤松や黒松などがおよそ1万7000本近くも立ち並ぶ景勝地で、夏は海水浴客で賑わう。鉄道ファンに人気の旧敦賀港駅舎
敦賀港100周年を記念して整備された金ヶ崎緑地には、旧敦賀港駅舎や敦賀赤レンガ倉庫などがある。旧敦賀港駅舎は、かつて「欧亜国際連絡列車(新橋~敦賀港駅~ウラジオストク~シベリア経由ヨーロッパ)の発着駅として重要な役割を果たしていた金ヶ崎驛舎(後の敦賀港駅舎)を再現したものである。現在は敦賀鉄道資料館となっている。
往時の待合室
旧敦賀港駅舎には、敦賀の鉄道の歴史を紹介するパネルや貴重な鉄道資料を展示しているが、驚いたのは往時の待合室が再現されていた。レトロな椅子が懐かしい。
重厚な構えを誇る敦賀赤レンガ倉庫
敦賀赤レンガ倉庫も見逃せないポイントだ。明治38年(1905)に石油貯蔵用の倉庫として外国人技師によって建てられたもので、港町・敦賀の歴史を象徴する建築物のひとつ。北棟・南棟・煉瓦塀が国の登録有形文化財に登録され、今は港と鉄道のジオラマとレストランを備えた商業施設になっている。
敦賀赤レンガ倉庫の横にある旧国鉄の「キハ28形」気動車
敦賀赤レンガ倉庫の横には「キハ28形」気動車が展示されている。昭和43年(1968)に製造された旧国鉄の急行形気動車で、小浜線では急行『わかさ』として平成11年(1999)まで活躍した。