タランパヤ公園とイスチグアラスト公園で体感する2億5千万年前の世界

世界遺産「イスチグアラスト/タランパヤ自然公園群」に残る2億5千万年前の世界

添乗員日記
2017年08月23日
カテゴリー
海外旅行
旅行記

いきなりですが、質問です。

「砂漠&恐竜」と聞いて、思い浮かべる場所はどちらですか?
多くの方々は、映画のモデルになったとされるモンゴルのゴビ砂漠の辺りを想像されることでしょう。
調べてみると、その辺りは、白亜紀後期(1億年前)のようです。

しかし、日本の裏側にはさらに古い場所があるのです。なんと!三畳紀(2億5千万年前)。

アルゼンチンのタランパヤ国立公園&イスチグアラスト州立公園です。

ブエノスアイレスより西に1200km、チリ国境までは450kmという場所で、近くに鉄道駅や空港などはありません。アルゼンチン旅行をした際、もっとも行きづらかった観光地でした。

七色の丘と呼ばれる色鮮やかな地層とサボテン

世界遺産ケブラーダ・デ・ウマウアカの七色の丘

そこを訪ねる前に、まずは、ブエノスアイレスより北へ1650km。空路2時間半、サルタに行き現地の日帰りツアーに参加。世界遺産ケブラーダ・デ・ウマウアカにも足を延ばしてみました。
ボリビアが近いということもあり、インカの時代より、先住民の歴史を紡ぐ南米の主要路、交易路として重視されていたようです。
「七色の丘」と言われる色鮮やかな地層が、あちこちに生えているサボテンと共に大変絵になる光景でした。
ちなみに、日本でも人気のあるフォルクローレの曲「花祭り」は、ここウマウアカのカーニバルの様子を歌ったものだそうですよ(♪エル・ウマウアケーニャ)。

タランパヤ国立公園&イスチグアラスト州立公園

今も残る2億5千万年前の壁画と出会う

その後、サルタより途中の街に宿泊しながら、長距離バスを乗り継ぎ揺られること計24時間。
アルゼンチン内でもっとも行きにくい世界遺産、タランパヤ国立公園&イスチグアラスト州立公園へ。
両方合わせると2754㎢。東京都よりも大きい荒涼とした砂漠地帯。
この場所に、2億5千万年前の地層、その頃の恐竜、哺乳類の祖先や植物、また洞窟の壁画が 発見されているのです。

公園内専用の車両

タランパヤでは、公園内専用の車両で移動。トラックとバスを合わせたような乗り物で、名所に近付くと2階のオープントップの座席で観光できます。
高さが150mの赤い岩壁がどこまでも続き、「カテドラル」「魔術師」などと名前のつく奇岩も。

筒のような形の岩

大きな煙突でも入りそうな筒のような形の岩が、どこまでも続きます。
惑星の中にいるような気分になりました。

途中の休憩ポイントでは、トラックバスのドライバーさんとガイドさんが即席バーを設置。
さすがはワインの国アルゼンチン。キリリと冷えたリオハ州の白ワインとオリーブなどのおつまみで渓谷に乾杯!

そして午後は、50㎞離れたイスチグアラストに向かいました。このあたり、公共の交通機関がありませんので、朝からチャーターしている車にて、Valle de Luna(月の谷)と言われている州立公園内を周遊ルートに沿ってレンジャーの車両と共に巡ります。

キノコや、スフィンクスの形をした岩、そして何よりも一番不思議だったの光景は、直径20㎝くらいの丸い球がたくさんあるエリア。まるで、ペタンク遊びでも太古の方々がされていたのでしょうか?
風化によるものとは言えども、謎は深まるばかりです。

この2か所の観光地、日本人は年間50~100人くらいしか訪れていないそう。
実は、アルゼンチンの方々にも珍しい、あまりまだ知られていない世界遺産とか。

日本の7.5倍の国土をもつアルゼンチン。
日本の裏側で行くまでに本当に遠いですが、その疲れを忘れさせる絶景が待っています。
他にもお勧めしたいイグアスの滝やロスグラシアレス氷河。とにかく、この国にはダイナミックな自然だらけ。
そして、地球のエネルギーを感じられる砂漠地方にも是非ともお出かけになられてみて下さいね!

J&Jヒューマンソリューションズ 海外添乗員 新井 直美
このページのトップへ