トラベル&ライフ2021年10-11月号の特別企画で訪ねた熊本県の人吉市。球磨川下りで知られる、いで湯と球磨焼酎の里である。この人吉で、ちょっとユニークなうどんが食べられるお店を紹介しよう。
立派な社殿が立つ青井阿蘇神社近くにある「開」である。正式名称は「球磨焼酎ト球磨ノ食 開」と言うように、そば・うどんをはじめさまざまな球磨地方の郷土料理や球磨焼酎が味わえる。
店内はごく普通のそば屋さんで、和風の落ち着いた雰囲気。テーブル席には、セルフサービスの冷水が用意されている。
普通のそば屋さんと異なるのは、店内の一角にさまざまな球磨焼酎が所狭しと並んでいることだ。なんとも壮観な眺めである。
そして、渡されたメニューを開いてびっくり仰天した。カレーうどんの下に、カツカレーうどんとあるではないか。カツカレーは何度も食べたことがあるが、果たしてカツカレーうどんとはどんなものなのか。
これが、カツカレーうどんである。写真ではわかりにくいが、天かすと刻みネギの下に、揚げたてのとんかつがのっている。うどんのつゆは少な目だ。聞けば、同店のロングセラーメニューという。食べてみると、とんかつそのものはとんかつ店のとんかつ並みに旨い。いささか違和感はあるものの、意表を突く意外なおいしさであった。