海外を旅する時、どのような場所を訪れるでしょうか。有名な観光名所や、美術館や博物館といった文化施設を訪れることが多いかもしれません。ベルリンでは、多くの人が「ベルリンの壁」や「博物館島」を訪れることでしょう。ですが、ベルリンには世界的に有名ではなくとも魅力的な場所は多くあります。
その中でも紹介したいのは、様々な植物の栽培を行い、その展示を行う「ベルリン植物園」です。そこでは世界の植物を観賞できるだけでなく、広大な庭園の散歩を楽しめるようになっています。
ベルリン植物園が位置するのはベルリン郊外にあるダーレムと呼ばれるエリア。現在の植物園は20世紀初頭に完成しており、100年以上の歴史があります。植物園は広大な敷地を有しており、その広さは東京ドーム9個分にあたる43ヘクタールにも及びます。敷地内に建つのは10館以上の温室。また様々な植物が植えられた庭園も広がっています。このような非常に大規模な植物園に、2万種類を越える植物が栽培されているのです。
ベルリン植物園の顔とも言えるのは、こちらの植物園最大の建物でもある大温室でしょう。温室は1907年に建てられており、その歴史は100年を越えています。そんな建物の高さはなんと23メートルもあります。現在でも世界最大級の温室の一つといわれる巨大な建物であり、従来の建物には収まりきらないような背の高い植物が栽培されているのです。
その一つが竹の中でも最大級の高さを誇る「giant bamboo」。ここでは20メートルにも達する背の高い植物がすっぽりと建物内に収まっています。こうした特別な植物が見られるのもベルリン植物園の魅力と言えるでしょう。
巨大な空間を持つ大温室の魅力はその高さにとどまりません。大温室内では熱帯の植物が植えられていますが、それはただ植えられているのでなく、横には魚が泳ぐ池もあり、また植えられた植物は重なり合うように枝葉を伸ばして熱帯の森と見紛うような風景を生み出しています。
冬であっても着込まなくても過ごせる暖かな温度に保たれているため、熱帯の森に入り込んだように感じられるかもしれません。ここでは様々な植物をただ眺めるのでなく、その植物が育つ土地の雰囲気までも楽しむことができるでしょう。
こちらの植物園では多彩な植物を楽しむことができます。植物園の広大な敷地の一部は世界の植物が植えられているエリアとなっています。中国風の東屋周辺に植えられているのは、日本、中国、韓国で見られる植物。また刈り揃えられた木々と、美しい花々の花壇で構成されるイタリア庭園もあります。こうした様々な植物に満たされた植物園には幾つもの小道が整備されており、散歩を楽しむことができるでしょう。散歩道を歩けば、自然を身近に感じられるだけでなく、世界各国の様々な植物に出会うことになるのです。
最後に紹介したいのはベルリン植物園で開催される特別なイベントです。植物園は通常であれば、夜間は開園していません。ですが毎年夏に開催される「植物園の夜」では夜間に入場することができるのです。イベントでは様々な屋台が立ち並び、小規模なコンサートも開催され、花火も打ち上げられます。
また温室などがライトアップされて、夏の夜を存分に楽しめるようになっているのです。何より素晴らしいのは夜間であっても温室に入場できること。淡いライトに照らされた植物の中で、昼とは打って変わった雰囲気を体験できるでしょう。このようなイベントは他の植物園では得られないような特別な体験を可能にしてくれるに違いありません。
ベルリン植物園(Botanischer Garten und Botanisches Museum Berlin)
開館時間:9時~20時(温室の開館時間:9時~19時)
休園日:12月24日
入場料:6ユーロ
※掲載の情報は、2021年7月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。