ドイツの首都であるベルリンはドイツ最大の人口を抱える大都市であるにも関わらず、散歩を楽しめる場所が数多くあります。緑地や公園や庭園といった気持ち良く散歩できる場所は多いのですが、その中でも特におすすめしたいのは、市内中心部にあるシャルロッテンブルク宮殿の庭園です。そこには森や湖などがあり、市内とは思えないほど素晴らしい風景が広がっています。今回は、そんなシャルロッテンブルク宮殿の庭園について紹介したいと思います。
シャルロッテンブルク宮殿があるのはベルリン西部の中心部です。宮殿は17世紀末に当時ベルリンを治めていたフリードリヒ1世の王妃ゾフィー・シャルロッテのために夏の離宮として建てられました。王妃が亡くなった後に宮殿はシャルロッテンブルク宮殿として名付けられ、19世紀半ばまで宮殿として使われていました。このような宮殿はバロックやロココスタイルの装飾によって彩られており、現在では博物館として解放され、宮殿の調度品などの展示によって当時の王族の暮らしを追体験できる場所となっています。
宮殿の背後には森や湖を含む55ヘクタール(東京ドームで約11個分)もの広さを持つ庭園があります。宮殿の庭園ということもあり、整備されているのは散歩を楽しめるような道。そんな散歩用の道には彫像が置かれており、美術作品を楽しめる場ともなっています。それだけでなく、王族の霊廟やお茶を楽しむための建物なども建てられており、権力を持った人々が過ごす場所として演出されていることに気付くでしょう。このような空間では歴史のロマンに浸りながら散歩を楽しむことができるのです。
庭園の中には自然が溢れています。庭園に広がる森では木々の枝葉が広がり、緑の空間が生み出されています。庭園の森と言っても広大であるため、その広さには驚かされるかもしれません。木々が枝葉を伸ばす森を抜けると、目に飛び込むのは草原を横切る小川。そんな風景は本物の自然のものと見間違えるほどでしょう。庭園に流れる小川を眺めていると、せわしない暮らしや日々のストレスなど、どこか遠くにあるもののように感じられるかもしれません。ここでは自然の中で過ごすように都会の喧騒から逃れることができるのです。
湖や森が織りなす自然ですが、それは人間だけが楽しめる場所ではないようです。木々の中を歩けば、餌を求めて木をよじ登るリスを目撃することは珍しくありません。小川や湖など水辺を歩けば、様々な水鳥の存在に気付くことになります。街の中心部に広がる自然は多くの動物たちの生活空間にもなっているのです。庭園の中では、そんな動物たちと出会うことになり、ますます自然の存在が身近に感じられ、リラックスすることができるのです。
このような庭園は訪れる度に異なる表情を見せてくれます。春に訪れれば、新緑に覆われた庭園を楽しむことができます。夏には暑さから逃れられる木陰が広がります。秋に庭園で眺められるのは紅葉によって色付いた木々。そして冬には雪によって様変わりした風景を眺めることになります。こうして四季を通じて様々な表情を見せる宮殿の庭園は、訪れることを飽きさせないでしょう。だからこそ、ベルリンで散歩を楽しみたいのであれば、シャルロッテンブルク宮殿の庭園を訪れてみてください。きっとまた訪れてみたくなるはずです。
シャルロッテンブルク宮殿(Schloss Charlottenburg)
Spandauer Damm 10-22, 14059 Berlin
開館時間:10時~17時30分(4月~10月)/10時~16時30分(11月~3月)
休館日:月曜日
入場料:12ユーロ(旧館)、12ユーロ(新館)
シャルロッテンブルク宮殿の庭園(Schlossgarten Charlottenburg)
Spandauer Damm 10-22, 14059 Berlin
開館時間:8時~日没(年中無休)
入場料:無料
※掲載の情報は、2021年5月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。