トラベル&ライフ2021年6-7月号の特別企画で訪ねた石川県能登半島の輪島市。朝市で知られる港町である。能登半島というとかなり遠いエリアのイメージがあるが、実は羽田空港から空の玄関口である能登空港へは、わずか1時間のフライトで到着する。
古い歴史を誇る輪島の朝市
1000年以上の歴史がある朝市は、通称「朝市通り」と呼ばれている輪島港近くの商店街で行われ、魚介類をはじめ、水産加工品、野菜、漬物やら生花、衣類雑貨などさまざまな商品が並ぶ。
今回のテ-マは總持寺祖院と白米千枚田、そして朝市と輪島ふぐ。輪島は全国でも有数のふぐの水揚げを誇り、輪島ふぐとしてブランド化されているのだ。「割烹 喜芳」を訪ねて「輪島ふぐづくし膳」を取材・撮影したのは午前11時。無事に終了して、では昼食はふぐ料理にしましょうとカメラマンと担当編集者の3人で向かったのが朝市通り近くにある「やぶ新橋店」である。
真ふぐの炙り(右)と酢の物(左)
注文したのは「輪島ふぐ会席」3,300円。最初に並んだのは真ふぐの炙りと酢の物。梅肉やわさび醤油で食べる炙りは、生の刺身とはひと味違うおいしさだ。
真ふぐの南蛮漬け(左)とこんか漬け(右)
お次は、真ふぐの南蛮漬けとこんか漬け。素揚げして三杯酢に漬けた南蛮漬けは乙な味わい。こんか漬けとは、塩漬けした真ふぐをさらに糠味噌に漬けた珍しい逸品で福井県ではへしことも呼ばれている。しょっぱいが旨い。
真ふぐの煮物
次は、真ふぐの煮物。薄い醤油味で、こちらもなんともやさしい味わいである。
真ふぐの一夜干し
次は、真ふぐの一夜干し。絶妙な塩加減で、噛みしめるほどにふぐの旨さがじんわりと口中に広がっていく。ご飯との相性も抜群だ。
真ふぐの天ぷら
最後は、真ふぐの天ぷら。こちらは天つゆではなく抹茶塩でいただく。から揚げは食べたことはあるが、ふぐの天ぷらは初めての体験だ。ふっくらとした真ふぐの身は、上品にして、奥の深い味わいだ。
※掲載の情報は、2021年5月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。