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アムステルダムで人気の施設『De Hallen』

海外現地ライター便り
2021年04月15日
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海外旅行
旅行記

アムステルダムの西区にあるDe Hallen(デ・ハレン)は、映画館や飲食店、ショップ、ギャラリー、ホテル、図書館、保育園などが集まった文化商業施設です。アムステルダム中央駅からトラムで13分、ミュージアム広場からもトラムで4分とアクセスが良く、周辺のキンカー通り商店街やテン・カーテ露店市場とともに地元の買い物客で賑わう人気スポットです。

代替文 Photo: Stadsarchief Amsterdam

オランダの国家遺産に登録されているDe Hallenの重厚な建物は、1903年から1996年までトラム車両基地として使用されていたものです。文化商業施設への改修プロジェクトには紆余曲折がありました。車両基地の閉鎖後にプロジェクトが遅々として進まず、なかば廃墟と化してしまった建物が、2010年にスコッター(占拠者)に占拠されたのです。スコッターが「周辺住民のニーズを満たす、サスティナブルかつ収益のある施設への早急な改修計画」を要求したことで、停滞していたプロジェクトが再始動しました。

2013年初頭に改修工事がスタートし、2015年2月5日にDe Hallenが公式にオープンしました。De Hallenの建物には、壁の赤レンガや三角トラスの屋根組み、引込み線、石製の看板など、車両基地の名残が残されています。映画館FilmHallenのパリジャン・シアターにも、1987年に閉館してしまった映画館シネマ・パリジャンのインテリアが移築されました。新しい命を吹き込まれたDe Hallenには、あちらこちらにアムステルダムの歴史や記憶が刻まれています。

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De Hallenで一番人気のスポットは、多国籍な料理を楽しめるフードコートFoodhallen(フード・ハレン)です。オランダの伝統的ファーストフード「ビターバレン」や、アンガスビーフ100%のハンバーガー、ベトナム風生春巻き、スペインのタパス、トルコ料理、広東料理、インドやメキシコのストリートフード、さらには日本の手巻き寿司まで、20以上の店舗が軒を並べます。お祭りの屋台を思わせる賑わいで、店舗ごとに趣向を凝らしたディスプレイや、調理の様子が見られるオープンキッチンも目を楽しませてくれます。色々な料理を買って友達とシェアしたり、ローカルビールを片手にスポーツバーでサッカー観戦をしたり、Foodhallenの楽しみかたはさまざまです。

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天窓から光が降りそそぐ広々とした中央パサージュには、ユニークなショップが集まっています。天然素材とヨーロッパ製にこだわったファッションブティックLaSalle、手作りのフェアトレード商品を扱うGathershop、アール・デコのアンティーク家具が所狭しと並ぶArt Deco、アムステルダムのデザイナーが手がける商品を取り揃えたThe Maker Storeでは、シンプルで斬新、かつ機能的なダッチデザインに出会えます。

地元のジーンズスクールと連携してワークショップを開催するDenim Cityや、美容学校を兼ねたヘアサロンKinki Academy、精神科の通院歴がある人たちを雇用し、自転車技師としての仕事復帰をサポートするサイクルショップRecycle、同じく精神科の通院歴があるアーティストの作品のみを扱うギャラリーBeeldend Gesprokenなど、地域社会に貢献する企業もあります。

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中央パサージュでは、展覧会や古本市、クラフトマーケットなどのイベントも開催されます。ライブコンサートやマーチングバンド、12月には子供たちにお菓子を配るサンタクロースが現れることもあります。食事や買い物に出かけた道すがら、思いがけずパフォーマンスに出会えるのは嬉しいものです。De Hallenは訪れるたびに新しい出会いや発見がある場所です。

◆施設情報
De Hallen
住所:Hannie Dankbaarpassage 47,1053 RT Amsterdam
アクセス:アムステルダム中央駅よりトラム17番で14分Ten Katestraat下車徒歩2分
営業時間:日曜~木曜7:00-25:00、 金曜・土曜7:00-27:00

※掲載の情報は、2021年3月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。

文= Kayo Temel
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