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新潟県の県花、チューリップ 写真提供:新潟観光コンベンション協会
新潟県の県花、チューリップ 写真提供:新潟観光コンベンション協会

チューリップ出荷量全国1位の新潟県

季節の花だより
2021年03月31日
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国内旅行
旅行記

春の花と聞いて浮かぶ花のひとつ、チューリップ。3月中旬になると色とりどりのチューリップを見かけるようになるが、生花店の店頭にチューリップの切り花が並ぶのは毎年11月頃からだ。
新潟県はチューリップの切り花出荷量が全国ナンバー1の地。毎年10月下旬から4月上旬にかけて約790万本のチューリップの切り花が全国各地へ出荷され、その中でも新潟市で約半数以上が作られている。

チューリップの摘み取り チューリップの摘み取り 写真提供:新潟観光コンベンション協会

チューリップが日本に伝わったのは幕末から明治初期にかけてだったが、本格的な栽培が始まったのは大正時代のこと。チューリップの育成に適した気候の新潟県と富山県で栽培が開始され、当時はチューリップが珍しく高値で取引されていたという。そして、現在は切り花は新潟県、球根は富山県がともに生産量1位を誇り、ともにチューリップが県花に制定されている。

新潟県が開発した「新紅 新潟県が開発した「新紅」 写真提供:新潟県農林水産部農産園芸課園芸拡大推進室

チューリップは品種の数が多く、色は、赤、白、黄色、ピンク、オレンジ、緑、そして咲き方も最も一般的な一重咲き、花弁が多い八重咲き、花びらが尖り優美な印象のユリ咲き、フチのフリルがかわいらしいフリンジ咲き、オウムの羽のようなパーロッ卜咲きと豊富。新潟市を中心にその周辺地域では、約150種類以上が栽培されており、中には新潟県が独自に開発したオリジナル品種もある。

「新紅(シンク)」は、チューリップの切り花の中でも出荷量の多い「赤色一重咲き」の主力品種「イルデフランス」に代わる品種として開発されたチューリップだ。花は明るい赤で、ボリューム感があり、切り花栽培にも花壇植えにも適している。平成2年(1990年)から開発が始められ、平成29年(2017年)に品種登録出願。現在は一般販売開始を目標に胎内市で増殖をしているという。

チューリップとウォーターシャトル チューリップとウォーターシャトル 写真提供:新潟観光コンベンション協会

新潟市では、毎年4月中旬になると市民が育てたチューリップ約2万6000本で、市のシンボル萬代橋とその周辺を彩る「萬代橋チューリップフェスティバル」を開催。また、「信濃川やすらぎ堤緑地」では、昭和大橋~萬代橋の両岸にチューリップが咲きそろい、「いくとぴあ食花 キラキラガーデン」には、約100種類8万本のチューリップが一斉に咲き誇り、道の駅「新潟ふるさと村」では、毎年テーマを変えて33品種・50,000本のチューリップでガーデンを彩るなど、チューリップ県である新潟ならではの春の風景を楽しむことができる。

春の訪れを知らせる花、チューリップ。本場である新潟で、または、新潟のチューリップで自宅を彩って、春を楽しもう。

協力=新潟観光コンベンション協会
新潟県農林水産部農産園芸課園芸拡大推進室
文=磯崎比呂美
※2021年3月現在の情報です。お出かけの際は事前に公式サイトをご確認ください。
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