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千年鮭井筒屋さんの外観
千年鮭井筒屋さんの外観

鮭の町に残る郷愁を誘う建造物

トラベル&ライフ 取材こぼれ話
2021年01月29日
カテゴリー
国内旅行
取材こぼれ話

トラベル&ライフ2021.2-3月号の極め旅で訪ねた新潟県村上市。鮭の遡上で知られる鮭の町である。多彩な鮭料理文化は現在も健在だ。塩引き鮭や鮭の酒びたし、背わたの塩辛、かぶと煮、飯寿司など見た目もみごとな鮭料理を用意してくれたのは、「千年鮭井筒屋」さん。町屋造りの、なんともレトロなたたずまいで、タイムスリップしたかのような気分になる。

芭蕉 宿泊地跡の看板 芭蕉 宿泊地跡の看板

レトロな雰囲気の理由は、「千年鮭井筒屋」さんは元禄2年(1689)6月に芭蕉と曽良が「奥の細道」行脚の途中に村上で泊まった際の宿で、国の有形文化財に指定されているのだ。2017年3月から建物を受け継いだもので、村上市教育委員会による「芭蕉宿泊地跡」の看板が立っている。

氷問屋電菓開運堂ベーカリー 氷問屋電菓開運堂ベーカリー

「千年鮭井筒屋」さんの取材を終えて近くを歩いていたら、なんとも古くて郷愁を誘う建物を見つけた。まずは、2階建てモルタル造りの氷問屋電菓開運堂ベーカリー。現在は営業していないようだが、ベーカリーとあるからかつてはパン屋だったのだろう。氷問屋も兼業していたと思われる。1階と2階の間には、横文字で店名が書かれているから、ハイカラな店主だったようだ。

クリーニングわら竹本店 クリーニングわら竹本店

次は、クリーニングわら竹本店。こちらは今も営業している。ホームページも開設しており、それによると昭和13年にわら竹洗濯店として開業した。村上をはじめ、新潟県内に十数軒の支店がある。堂々たる大きな看板が、歴史を物語っているようだ。

イヨボヤ会館 イヨボヤ会館

最後は、本誌内でも紹介したイヨボヤ会館。村上らしい、鮭の博物館だ。氷問屋電菓開運堂ベーカリーやクリーニングわら竹本店のような古さはないが、巨大な鮭の看板がほほえましい。

文と写真=木村小左郎
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