トラベル&ライフ2020.10-11月号の特集「魅力あふれる九州へ」の取材では、復旧が進む熊本城を訪ねた。その熊本城を拠点に、来城者をもてなし、時には県外にも赴き、熊本のPR活動に励んでいるのが「熊本城おもてなし武将隊」だ。築城主の加藤清正を中心に、肥後熊本に縁の深い大名や家臣、姫など10人のメンバーで構成されている。
左から、大村喜前、加藤清正、島津義弘
熊本城おもてなし武将隊に会えるのは、熊本城の麓にある観光施設「桜の馬場城彩苑」親水広場。1日2回、メンバー3人(その時々でメンバーは異なる)でステージイベントを行っている。最近では新型コロナウイルスによる活動の制限などもあるが、熱い想いで活動に励んでいる。
「肥後の下から日本を元気にしたいと思って日々活動しておる」と話すのは加藤清正。清正と親交が深かった大村喜前、そして幕末まで影響を及ぼし続けた薩摩島津家第17代当主の義弘は「子供たちが喜んでくれるのを見るとうれしい」「天守閣の前で活動するのが楽しみ」という。
2016年4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城も、着々と工事が進み、2021年春には天守閣全体の復旧が完了する予定だ。堂々たる天守閣を背景に繰り広げるパフォーマンスが待ち遠しい。
本誌の特集内では、門司港レトロの見どころを歴史ある建物を中心に紹介したが、他にも注目スポットはある。そのひとつが、「ブルーウィングもじ」。全長が約108mと、歩行者専用の跳ね橋としては日本最大級の大きさを誇る。跳ね橋は1日6回10時から16時の毎正時(12時を除く)に跳ね上がり、20分後に閉まる。橋が閉じて最初に渡ったカップルは幸せになれるといわれ、"恋人の聖地"としても選定されている。
門司港レトロを彩るクラシカルな建物は、店舗やギャラリー、博物館などに利用されている場合が多い。大阪商船門司支店を修復した旧大阪商船もそのひとつ。1階には地元出身のイラストレーター、わたせせいぞう氏の作品を展示する「わたせせいぞうギャラリー」を併設している。美しい風景とおしゃれなカップルを描いた色鮮やかな作品は、気持ちを明るくしてくれる。
明治時代の様子がうかがえる
最後に紹介するのは、九州鉄道記念館。数ある展示のなかでも、タイムトリップ気分が味わえるのが明治時代に活躍した実物の客車。中に入ると、座席が畳。客車の周りには、乗客や車掌などの人形を配置し、当時の様子が見てとれる。運転シミュレーターも見逃せない。811系近郊型電車の運転台で操作をして運転の疑似体験ができる。門司港駅から折尾駅間の実際の路線風景を見ながら操作するので、本格的だ。終了後には、運転の点数が出るのも面白い。
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