今年の夏も暑かった...。夏といえば枝豆。枝豆をつまみに冷えたビールを楽しみ、この猛暑を乗り切ったという人も多いのではないだろうか。
そして8月も終わり、枝豆の季節も終わってしまったと嘆いている人も。
実は新潟県では、6月から10月まで途切れることなく枝豆を出荷しており、まだまだおいしい枝豆を食べることができる。新潟県で採れる主な枝豆は「新潟えだまめ」「新潟茶豆」「新潟あま茶豆」など。これからの時期は、9月上旬までボリューム感と甘みが充実した「新潟あま茶豆」が、9月中旬から10月中旬まではボリューム満点の「新潟えだまめ(晩生)」が楽しめるのだ。
枝豆は鮮度が命。多くのおいしい枝豆がおいしいうちに県内で消費される
新潟県は枝豆の作付け面積が全国1位。けれどもかなりの量を県内で消費してしまい、出荷量は全国7位(※平成30年 農林水産省 野菜生産出荷統計より)というからおもしろい。つまり、おいしいから地元で食べてしまうわけだ。とにかく新潟県民は枝豆が大好き。大きな器に山盛りの枝豆が食卓にのぼる様子は夏の風物詩となっている。
太陽の日差しをたくさん浴びることで、多くの実をつける
ではなぜ新潟県の枝豆はおいしいのか。それは、肥沃な大地、日照時間の長さといった環境はもちろんのこと、豆の大きさよりも味の最も良い時期に収穫したり、早朝や夕方の涼しい時期に収穫して低温保存しながら配送したりなど、常に生産者のおいしさへのこだわりや向上心があるからだといえる。新潟県内各地では、改良や研究など地道な努力を重ねているのだ。
ふっくらとふくらんだ食べごろの「くろさき茶豆」
なかでも新潟市西区黒埼地区で出荷される「くろさき茶豆」は全国的にもその名を知られる極上ブランド。そもそも茶豆は枝豆の一種で枝豆よりも香りが豊かで濃厚な甘みがあり、豆のうす皮と毛の色が茶色いのが特長だが、「くろさき茶豆」の香りと甘み、風味、そして歯ごたえは別格といわれ、収穫時期がお盆前後の2週間ほどと短いことから希少価値も高い。枝豆界の「魚沼産コシヒカリ」とも称されるほどのおいしさなのだ。
山形県「だだちゃ豆」、群馬県「天狗印の枝豆」と並ぶ高級ブランド「くろさき茶豆」
昭和初期に山形県鶴岡市に嫁に行った小平方地区(現 新潟市西区)の娘が茶豆の種子を譲り受けたともいわれるなど、「くろさき茶豆」のルーツは諸説あるが、その後、生産者による気候や土壌に合う改良が重ねられ、現在の味わいが誕生した。
残念ながら「くろさき茶豆」の旬は終わってしまったが、残暑厳しい日本の夏。まだまだおいしい新潟の枝豆で、暑さを元気に乗り切っていきたい。