トラベル&ライフ2020.8-9月号「極め旅」の取材で訪ねた浜名湖。今回のテーマは、 長いヤス(モリ)を使ってワタリガニやクロダイを突いて捕獲するたきや漁だ。浜名湖独特の伝統漁法であり、日没後に行われる。すべてが終了したのは午後11時。宿に戻り、翌日は浜松市内を巡ることにした。ここでは浜松城や風雅な茶室や日本庭園のある、浜松城公園を紹介しよう。
徳川家康が居城とした浜松城は家康の天下統一の足掛かりとなっただけでなく、歴代城主の多くが江戸幕府の重役に出世したことから「出世城」といわれている。令和2年は、浜松城築城450年の記念すべき年でもある。現在の天守閣は、昭和33年(1958)に再建されたもので、天守創建時の野面積みの天守台の上に立っている。
天守台は一辺21mのややいびつな四角形で、築城の頃の面影を残す貴重な石垣だ。
再建された天守閣は地上3階地下1階建。1・2階は徳川家康と浜松にまつわる歴史資料を展示する資料館、3階は展望台となっている。地下には穴蔵と呼ばれる地階があり、その中央部には石組井戸がある。石組井戸とは穴の周囲に石を積んで崩れないようにしたものだ。現在は木で囲まれている。
浜松城公園の一角、かつて天守閣東側の本丸があった付近には、若き日の徳川家康の銅像が立っている。これは昭和56年に建造されたもので、りりしい姿が印象的だ。
公園散策の途中で立ち寄りたいのが、茶室の松韻亭。閑静な林間にあり、日本庭園を眺めながらお抹茶や煎茶(400円)を楽しめる。お座敷ではなく椅子に座って飲める立礼席なので、旅の途中でも普段着のままで気軽に利用できる。
※掲載の情報は、2020年6月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。