美ヶ原高原、霧ヶ峰高原、車山高原、白樺湖、蓼科湖。
信州を代表するこれらの観光地を結ぶ山岳ロード・ビーナスラインは、八ヶ岳中信高原国定公園の高原地帯を縫うように走る観光道路です。
茅野市街から美ヶ原高原まで全長約76kmを結び、ルート沿いには前述の見どころのほか、カフェやレストラン、みやげ物店も点在。また、7月~8月は、ニッコウキスゲなどの高山植物が咲き揃うベストシーズンを迎え、爽快なドライブを楽しむことができます。
ビーナスラインのスタートは茅野市内から。しばらくは一般の生活道路ですが、蓼科高原に近づいてくると道は細くくねくねと曲がり、辺りの雰囲気はだんだんと変わっていきます。
蓼科高原は八ヶ岳の西麓に広がるリゾート地。高原の中央にはシラカバやカラマツに囲まれた蓼科湖があり、釣りやボート遊びが楽しめます。
蓼科湖からはシラカバの林を抜けて白樺湖へ。この区間は視界が開けるところが多くはないですが、女の神(めのかみ)展望台は、八ヶ岳や南アルプスを正面に見渡すことができるビュースポットです。近くには湧き水スポットもあるので、ドライブの休憩にぜひ立ち寄り、雄大な風景を楽しみましょう。
再び森の中を進みシラカバの林に囲まれた白樺湖へ。白樺湖周辺も長野有数のリゾートエリア。レジャー施設や宿、食事処、ショップ、美術館などがあり、多くの人で賑わっています。
白樺湖からは道路の状態もよくなり、視界も広がります。目の前を遮るものがない眺望は素晴らしく、稜線を描く鮮やかな緑と手に届きそうなほど近くに感じる空の青さは爽快の一言に尽きます。高原を縫うように上る絶景ドライブを楽しみながら、ビーナスラインで最も美しい言われる車山・霧ヶ峰エリアへと入っていきます。
車山高原は1,925mの主峰・車山の一帯に広がる高原です。
もし時間があるなら、ぜひ車山の山頂へ向かいましょう。歩いて行くのは大変ですが、車山高原スキー場のリフトを利用すれば約15分でたどり着けます。山頂からの風景はまさに圧巻。爽快な360度のパノラマが広がり、近くには八ヶ岳連峰、さらに天候に恵まれれば、富士山、南アルプス、中央アルプス、そして北アルプス、浅間連山まで望むことができます。
車山山頂 写真提供:車山高原
車山高原から霧ヶ峰高原までは、同様に気持ちのよいドライブコースが続きます。
途中にある霧ヶ峰富士見台も、富士山、南アルプス、北アルプスが一望できるビュースポットとして知られていますが、この時期の必見はニッコウキスゲの花畑です。道路を渡り、丘の斜面を登ると、圧倒的な数のニッコウキスゲが咲き揃い、草原を黄色に染め上げます。遊歩道も整備されているのでのんびりと歩くこともできるし、何よりニッコウキスゲを近くで見られるので、写真が趣味という人にはおすすめのポイントです。
その後、400種類もの亜高山植物が楽しめる八島ヶ原湿原、浅間山や三峰山、美ヶ原方面の山々が一望できる大展望台・三峰茶屋などをめぐり、急こう配の峠道を登りながら美ヶ原高原へ。
美ヶ原高原 写真提供:美ヶ原観光連盟
美ヶ原高原は、標高2,034mの頂をもつ美ヶ原最高峰・王ヶ頭を筆頭に、標高2,000m付近に広がる一帯をいいます。また、美ヶ原高原の台上が一般車両通行止めになっているので、高原入口にある山本小屋ふる里館の駐車場に車を置いて、そこから歩いて台上をめぐります。
台上には、広大な牧草地が広がる美ヶ原牧場、美ヶ原高原のシンボル・美しの塔などがあり、少し足を延ばせば最高峰の王ヶ頭まで歩くことも可能です。王ヶ頭からは八ヶ岳や富士山、南・中央・北アルプスなどを一望。クライマックスにふさわしい、壮大かつ美しい風景が広がっています。
信州のダイナミックな自然がたっぷりと楽しめるビーナスライン。美しい景色を見ながらのドライブは気分も爽快です。ただ、今回あげた見どころを1日ですべて回るのは難しいので、見てみたいところをピックアップして、プランを組むとよいでしょう。
行きたいところだけ立ち寄れるのは、ドライブならではのメリット。ぜひビーナスラインを走り、数々の絶景ポイントで素晴らしい眺めをご堪能ください。
JTBでは、9月30日まで「日本の旬 信州」キャンペーンを実施中。信州の雄大な自然と、山々から与えられた数々の恵みをテーマに、信州の魅力を堪能できるプランをご紹介しています。今回ご紹介した車山から霧ヶ峰、美ヶ原を楽しむルートは「絶景を楽しむ 信州感動のベストルート36」でも紹介しています。
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