シンガポールのイーストエリアに、カトンという場所があります。
カトン地区はプラナカン文化の根付いた土地。プラナカンとは、約600年ほど前、貿易の拠点であったマレーシアのマラッカにやってきた中国人たちと現地のマレー人たちの間に生まれた子孫たちのことを指します。
中華系とマレーの文化が混ざり合ったプラナカンの人々はシンガポールの三大民族である中華系、インド系、マレー系の人々とも異なる独自の文化を生み出してきました。カトンにはそんなプラナカン文化が残っており、街を歩くとプラナカン様式の色鮮やかな建物や伝統工芸の刺繍雑貨、食器のお店を見ることができます。
カラフルな色彩はとても美しく、フォトジェニック。
そんなカトンに位置しているのが、本日ご紹介する「Firebake - Woodfired Bakehouse & Restaurant」というお店です。
オーブンにレンガの壁、木で作られた店内はまるで山小屋のロッジのよう。
南国のシンガポールにいることを忘れてしまうような、ウエスタンな造りのレストランになっています。
それもそのはず、このお店はスイス人シェフが手掛けているお店。ヨーロピアンのシェフが作り出すお料理の数々は、どれも工夫がこらされたものばかり。
今回はこの素敵なお店と、人気メニューについてレポートしていきます。
まずはお店について。お店は室内と外の席に分かれています。ドアやテーブルは全て木でつくられたものを使用しているため、ぬくもりあふれる、あたたかな造りになっています。
「Bakehouse」という名前にもあらわれているように、こちらではオーブンで焼かれたメニューがメインとなっています。 オーブンで調理された料理はもちろん、焼き立てのパンが楽しめるのも特徴です。
オープンドアになっているため、厨房でパンや食事をつくっているところが見られるのも嬉しいところ。
パン作りも写真のように小麦粉をこねているところからご覧いただけます。 レストランでパンをつくるのを間近で見られる機会はなかなかないと思うので、貴重な体験ですよね。 本日はそんな焼き立てパンの中で、シンガポールの名物料理をアレンジした人気メニューをご紹介します。
それが、お店の人気メニューのカヤトースト。
カヤトーストは、シンガポールの朝食の代表的なメニュー。ココナッツミルク、卵、砂糖、パンダンリーフを煮詰めて作った「カヤジャム」というジャムとバターをパンに挟んでいただくシンガポール人のソウルフードです。シンガポールには様々なカヤトーストのお店があり、どのお店にも独自の味があります。また、パンも薄いパンや厚めのパンから選ぶことができ、自分の好みのスタイルでいただくことができます。
そんなカヤトーストがこちらのお店にもあり、看板メニューとなっています。
(メニューではToasted Sourdough Milk Bun With House Made Kaya)
このお店のカヤトーストのすごいところは、ローカル店で出されているものとは異なり、アジア+西洋のフュージョンの新しいスタイルで作られているところ。
こだわりのパンはヨーロッパで馴染み深いサワドウ。
オーブンで焼いた手作りのパンを、さらに炭火でこんがりと焼き、バターと自家製のカヤジャムを挟んでカヤトーストをつくっています。可愛らしい陶器のお皿で熱々でサーブされるトーストの味は、言わずもがな格別。
また、特記すべきは自家製のカヤジャム。口に入れた瞬間、ココナッツミルクとパンダンリーフの甘い香りがするのが心地よいことに加え、じっくりと煮込んだことがわかるコクがある味はとても美味。香ばしいパンと相性抜群の素晴らしい仕上がりとなっています。
お店には店内でいただけるメニュー以外にも、職人さんが作ったおいしそうなパンが並びます。
テイクアウトで購入できるコーナーもあり、パンが焼きあがる時間も記載されています。
焼きたてのパンをお土産にできるのも楽しみの一つです。
シンガポールでカトンに訪れた際は、ぜひこちらの素敵なレストランで、新たな名物ローカルフードを味わってみてはいかがでしょう。