カリフォルニアワインを愉しむ

カリフォルニアワイン&食紀行Vol.4
2020年02月28日
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海外旅行
旅行記

カリフォルニア東部にあるシエラネバダ山脈。この麓に「シエラの女王」と呼ばれる緑豊かな美しい田舎町マーフィーがある。1800年代のゴールドラッシュ時代に、金鉱産業を築いた移民によってできた歴史的な街のひとつで、ワイン愛好家にも人気の場所。ここで、カリフォルニアワインを堪能してきた。

広大な敷地の"アイロンストーン・ヴィンヤーズ(Ironstone Vineyards)"

ワインのメッカ、マーフィーにある「アイロンストーン・ヴィンヤーズ」

マーフィーは20以上のワイナリーが集まるワインのメッカでもある。「アイロンストーン・ヴィンヤーズ」は、その中でも自然環境に優しい農法を実践し、ブドウ園の規模はカリフォルニアでTOP10入りするほど。ブドウ栽培と管理に優れた農家に贈られる"最優秀栽培農家賞"も受賞したことのあるワイナリーだ。

爽やかな味のスパークリングワインでお出迎え

テイスティングルームは広々としたロッジの雰囲気。気さくなお兄さんが数あるワインの中から「カリフォルニアシャンパンだよ!」と、ジョークを交えながらスパークリングワインで迎えてくれた。梨やパイナップルのような爽やかな味がカラッとした気候にぴったり。

香り漂う洞窟のワイン貯蔵庫

ワイン樽の貯蔵庫への入り口

ワインで喉を潤した後は、洞窟のワイン樽の貯蔵庫へ。中に入る前から、すでに樽の強い香りが漂ってくる。中には、ワインの熟成を待っている樽や、順番待ちをしている空の樽が幾重にも重なっていた。

ワインの熟成を待っている樽

順番待ちをしている沢山の空の樽

自社畑で収穫された良質なブドウだけを使用しているから、コストパフォーマンスが良く、安定した味のワインが作れるそうだ。それにしても洞窟をダイナマイトで広げたと聞いたときは驚いた。さすが、アメリカならでは。

洞窟はダイナマイトで拡張  

ゴールドラッシュを彷彿させるワイナリー

「ゴールドスタンプミル」と呼ばれる金の採掘機

広々とした敷地内を散策していると、ゴールドラッシュ時代にタイムトリップした気分になる。

坑夫小屋も建っている

ゴールドラッシュ時代にタイムスリップした気分を楽しめる

"ゴールドスタンプミル"と呼ばれる金の採掘機や坑夫小屋が建っているのだ。後にレプリカだと聞いたけれど、妙にリアルな感じがしていた。

ゴールドラッシュとカリフォルニアワインの密接な関係

金塊の標本の展示

ギャラリーやミュージアムでは、ゴールドラッシュ時代のことを学ぶこともできる。実際に使われていた金の採掘道具や当時の写真、そして、この場所で見つかった金塊の標本も展示されていた。1880年代以降、北米で採掘された世界最大の金らしいが、こんな大きな宝がこの土地に眠っていたなんて!

ギャラリーやミュージアムでゴールドラッシュ時代のことを学べる

金を求めてやって来た外国からの移民が、ぶどうの苗木をこの大地に植えたからこそ、カリフォルニアワインは生まれた。ゴールドラッシュとカリフォルニアワインは深い関係があるのだ。ここのワイナリーは、その歴史をとても大切にしているようだった。

散策しながら楽しめるペアリング

天気のいい日には庭園でもペアリングを楽しめる

ワイナリー内では、あらゆる所でワインと食事のペアリングが楽しめるのも嬉しい。洞窟のセラーの中、ミュージアムの前、そして天気のいい日は庭園でも!

色々な場所でワインと食事のペアリングが楽しめる

果実味豊かな白ワインのビオニエはサーモンと。カリフォルニアを代表するスパイスの効いた赤ワインのジンファンデルはイチジク料理と。次のスポットまでワインを片手に散策できるのは、ワイナリーだからこそ。1日をゆっくり過ごせる気持ちのいい場所だった。

ダウンタウンの洗練されたテイスティングルームへ

「ブロール・マウンテン・ワイナリー(Broll Mountain Winery)」のテイスティングルーム

山の上のワイナリーを後にし、次はテイスティングルームが10軒以上あるマーフィーのダウンタウンへ。いろいろ目移りしてしまうけれど、「ブロール・マウンテン・ワイナリー(Broll Mountain Winery)」のテイスティングルームは、洗練された雰囲気。ポアラーやチーズカッターなどのお洒落なデザインの小物も揃っていて、ついつい財布の紐が緩んでしまう。

ポアラーやチーズカッターなどのお洒落なデザインの小物も揃っている  

この大地だからこそ生まれたカリフォルニアワイン

ゴールドラッシュによって築かれた街、カラベラスカウンティのマーフィー。「この土地は、金塊が埋まっているような鉱物や岩の多い土壌だからこそ、香り豊かで個性のあるぶどうが育つんだよ」と、ワイナリーのお兄さんが話してくれた。知れば知るほど奥が深いカリフォルニアワイン。飲むだけじゃない、学びがあったワインの旅だった。

<取材協力>
カリフォルニア観光局:https://www.visitcalifornia.com/jp
ユナイテッド航空:https://www.united.com/
カラベラス観光局:https://www.gocalaveras.com

写真・文=葛西 亜理沙
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