エストニアってどこにあるか知っていますか?
バルト3国と言えば、聞いたことがあると言う人もいるでしょうか。フィンランドの南、ロシアの西隣に位置しています。ロシアは日本海・オホーツク海を挟んで日本の隣にありますので、エストニアは日本の「隣の隣の国」とも言えます。距離はありますが、"隣の隣"と言われると、なんとなく身近な感じがしますよね。バルト3国と呼ばれる所以は、ソ連から独立するために隣国ラトビア、リトアニアの国民で3国をまたぐ道路上で手を繋いで長い人間の鎖を作ったデモをしたことがきっかけです。このような平和的デモなどの活動により、1991年、エストニアはソ連から独立することができました。
エストニアは今の国になってからまだ30年ほどの新しい国です。近年はEU加盟国になり、通貨もユーロに変わって他のEU諸国との往来がとてもしやすく、利便性があります。
今回はエストニアがどんな国なのか、簡単にご紹介したいと思います。
古い建物と新しい建物が共存する街
エストニアは人口130万人で大きさは九州と同じくらいの小さな国ですが、近年ではIT先進国として世界でも注目されています。あのSkype発祥の地として有名で、最近でも服の採寸ができるアパレル業界で話題のアプリや、送金サービスのTransferWiseなど、たくさんのサービスやアプリを生み出しています。
今、日本で利用されている住基カードもエストニアのIDカードシステムが基本になっているそうです。
自然や古き良きものをとても大事にする国である反面、最先端技術を随所で見ることができるのもエストニアの特徴です。スーパーは端末機を用いた無人レジが当たり前ですし、お店での宅配ボックスシステムなど、ITを使って便利に暮らす様子も興味深く感じるでしょう。
電動キックボードがタリンの市街地でレンタルできます
また、首都タリンではレンタル電動キックボードが流行っています。観光にも便利ですよ。
エストニア語が母国語ですが複数の言語を理解する人が多く、ロシア語や英語が通じるので旅行や居住がしやすいのも特徴です。特に首都のタリンは観光客が多いこともあり、英語を話せるのが当たり前なので安心して観光できます。
エストニア人の国民性は日本人に似ていて、勤勉で真面目な人が多くとてもシャイです。
初対面だととても緊張して話もあまり弾みませんが、少し慣れると意外とお喋りで気さくな人たちだと感じます。
少しのんびり屋なところがあって、事前に予定を入れても忘れやすく、そもそもスケジュールを作るのが苦手で口約束はあまり本気にしない事が多いです。
一見いい加減そうですが、思いやりの心がわかっているのか親戚知人はもちろん、他人でも困っていたりすると親身になって助けてくれたりします。日本人には友好的な印象です。
民族衣装を着て伝統のダンスを踊る人々
広大な平原が広がり、山のない風景は日本とひと味違います
首都タリンには13世紀に建てられた建物が残るオールドタウンや、新旧のデザインが融合したオシャレな街、博物館など見どころがいっぱい。その他にも第2の都市タルトゥや海沿いのリゾート地パルヌ、大きな島のサーレマー島、ロシアとの国境の町ナルバなど、観光するのに面白い街がたくさんあります。
特に最近ではタルトゥが人気です。日本人建築家が設計したエストニア国立博物館がオープンして話題になっているほか、2024年にはヨーロッパの文化中心都市としてイベントが控えています。
春や夏には歌やダンスの伝統的な祭典が各地で数多く開かれ、お祭りムード満点です。北欧らしく夏はとても過ごしやすい気候なので、ヨーロッパ各地からたくさんの人が避暑に訪れます。秋や冬になるとウィンタースポーツが盛んになり、クリスマスやニューイヤーのイベントも盛大に行われます。サウナ文化も有名で、寒い冬に熱いサウナと冷たい水のルーティンは最高のデトックスを体験できるでしょう。変わったところでは、サウナマラソンというイベントも開催されます。
各街の中心広場はクリスマスにツリーを飾りマーケットが開きます
タリンの劇場は街の中心部にあります
タリンとタルトゥには大きな劇場があり、それぞれ専属のオーケストラ、役者、バレエダンサーなどがいて9月を新年度スタートに毎週様々な舞台芸術を観覧することができます。芸術を推奨する国の補助もあり格安でチケットが購入できます。 現在は日本人のアーティストも何人か活躍していますし、ぜひ本場の舞台を鑑賞することをオススメします。
都市部を少し離れると豊かな自然が広がり、道路脇に野生動物を見ることも多々あります。
自然保護にも積極的で、大きな道路には動物が横断するための橋がかけられるなど、エストニアならではの工夫が見られます。
オーガニックの野菜もよく作られていて、家庭菜園にも積極的で安心安全な食べ物が多いのも印象的です。
エストニアの主食はじゃがいもです。そしてその付け合わせにホワイトソースをかけた肉料理やサラダ、黒パンを食べるのが定番。
日本人に似ている味覚なのかレストランなどでは日本人好みの味付けが多く、美味しい食べ物が多いのも特徴です。
エストニアは日本人が好む要素が多く、一度は訪れてみていただきたい場所と言えるでしょう。
最先端を体感するもよし、自然に癒されるもよし、古い街並みを探索するもよし。
いろいろな体験をしに、足を運んでみてはいかがでしょうか。