歴史を物語る数多くの古代遺跡、教会、宮殿、広場があるローマの中で、少し風変わりな空間のモンテマルティーニ美術館とコッペデ地区。
最初にご紹介するモンテマルティーニ美術館は、ベルニーニの「メドゥーサ」やローマのシンボル「カピトリーニの雄狼」、カラヴァッジョやルーベンスの絵画が見られるカピトリーニ美術館の分館で、なぜこの美術館が風変わりな空間かというと、それは...
ローマ公共発電所の建物を利用したユニークな美術館だから。 1960年まで活動していた発電所を80年代に整備し、カピトリーニ美術館に収まり切れない膨大な古代ローマコレクション約400点を展示した美術館としてスタートしたのが1997年。
1階の黄色い壁の「円柱の間」には紀元前500年から紀元前27年頃までの共和制時代の展示物、2階の水色の壁の「機械の間」はこの美術館で一番大きな展示室。緑の壁の「ボイラーの間」には動物をテーマにしたモザイクもあり、黒々としたエンジンルームやボイラ―と大理石の彫刻の珍しい組み合わせは、イタリアではここだけ。
油の匂いがかすかに残るこの美術館には、イタリアで一番古いピウス9世の汽車も展示。古代ローマをテーマにしたマニアックで風変わりな美術館の見学の目安は1時間~2時間、SNS映えする面白い写真が撮れる場所もたくさんあります。
発電所と古代ローマの風変わりな組み合わせの後は、ローマ歴史地区にある亀の噴水をパロディーにした蛙の噴水を中心に、大使たちの館、蜘蛛の館、妖精の館などたくさんの彫刻、動物の飾りで飾られた建物が広がるコッペデ地区。
1909年から始まったローマ区画整理の流れで『ローマらしさ』を求められ、新しい居住地区を任されたフィレンツェ出身のジーノ・コッペデによって設計された建物。
大使の館のアーチを潜った後に広がる絵本のような世界。
ローマらしさを求められながらも、コッペデ出身のフィレンツェへの思いを描いた物もあり、昆虫、動物、鳥や劇用マスクなどの奇妙な装飾など、ローマの中ではここでだけ見られる独特のデザインの建物の数々には、トラム3番、19番を利用してPiazza Buenos Airesで下車してすぐに出会うことができます。
目で楽しんだ後は、19時から21時ごろまでローマのバールやレストランなどで行っているアペリティーボでお腹も満足させてみてはいかがでしょうか。
ワインやプロセッコ(スパークリングワイン)、スピリッツ(プロセッコ+アペロールまたはカンパリ+強い炭酸水)と一緒に出てくる、バールによって内容がさまざまな『おつまみ』は、夕食の代わりにもなりますよ。食事前の食欲増進のためのアペリティーボでしたが、今では友人や恋人たちとゆっくりおしゃべりを楽しむ時間がメインとなっています。
いつもとは少し違う風景を楽しめるモンテマルティーニ美術館とコッペデ地区の散策、そしてアペリティーボで、ローマの一日を楽しめること間違いなしです。
モンテマルティーニ美術館(Centrale Montemartini)
住所:Via Ostiense106
ローマ地下鉄B線ガルバテッラ駅(Garbatella)から徒歩8分
営業時間:9~19時(入場券販売は閉館20分前まで)、12月24日、31日は9~14時
休館日:月曜、1月1日、5月1日、12月25日
※掲載の情報は、2019年9月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。