トラベル&ライフ2019.10-11月号の特別企画の取材で訪ねた島根県西部。羽田空港から出雲縁結び空港へ飛び、世界遺産の石見銀山をはじめ伝統芸能の石見神楽、浜田城跡や石州和紙会館などを訪ねた。
その様子は本誌でお楽しみいただくとして、ここでは町のあちこちで見つけた面白スポットや美味なる話題を紹介しよう。
まずは、石見銀山のある大田市大森の古い町並みで見かけた昔懐かしい煙草店。ふた昔前は、どこの町にもこうしたお店があったと思うが、まさに昭和は遠くなりにけり...である。「TOBACCO」の文字が郷愁を誘う。
こうしたレトロなお店が今も残っている
次は浜田市にある石州和紙会館。石州和紙(石州半紙)は石見地方で製造される和紙で、重要無形文化財に指定されている。ここでは実際に和紙すきを体験したが、会館の一角に美しい石州和紙人形が展示されていた。これは春日局と名付けられたものだが、なんともあでやかで優雅な姿である。
石州和紙会館に展示されていた石州和紙人形
益田市の活魚料理居酒屋「田吾作」では、日本海に水揚げされた新鮮な魚介類を堪能したが、なかでもびっくりしたのがイカ刺身。透明感あふれるイカは、コリコリしてまさに活魚ならではのおいしさ。以前、呼子でこうしたイカ刺身を食べたことがあるが、それ以来の幸せなひとときであった。
「田吾作」のイカ刺身
旅の最後は津和野の太皷谷稲成神社。日本五大稲荷のひとつだ。島根県で有名な神社といえばなんといっても出雲大社で参拝者もダントツだが、2番目に参拝者が多いのが太皷谷稲成神社という。通称「津和野のおいなりさん」として親しまれ、また全国で唯一「いなり」を「稲成」と表記する神社でもある。朱色の社殿が印象的だが、ユニークなのはお供え物だ。おいなりさんだけに、油揚げ。ローソクとともに販売しているので、ぜひお供えしてみたい。
太皷谷稲成神社
お供え物の油揚げ