異国情緒あふれる九份の街並み

台湾 九份の異国情緒あふれる幻想的な街の魅力

海外現地ライター便り
2019年09月17日
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海外旅行
旅行記

台北に遊びに来たら、少し足を延ばして九份まで行ってみませんか?そこには入り組んだ細い路地に、昔ながらの建物が立ち並び、どこか懐かしさを覚える町並みがあります。

映画の舞台となったレトロタウン

1998年に公開され、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した台湾映画「非情城市」の舞台として脚光を浴び、日本ではスタジオジブリの「千と千尋の神隠し」の湯屋に似ていると話題になった、今や世界的に有名な観光地です。

「九份」という名前の由来

印象的な赤い提灯

九份という地名には「開墾した土地を9人で分けたもの」という意味があり、清朝初期に9世帯しか住民がいなかったことに由来しているという説があります。初めから栄えていたのではなく、昔は本当に小さな集落だったことが想像できますね。ちなみに日本では「きゅうふん」で通りますが、北京語では「チウフェン」と読みます。

かつて金鉱として栄えた街

その九份は、19世紀末の金鉱発掘をきっかけに徐々に活気を帯び発展していきました。 最盛期は日本統治時代で、現在も建物や路地などの街並みはその当時の面影を残しています。日本人が九份をノスタルジックに感じるのには、そんな理由があるのです。

その後1971年に金鉱は閉山。活気は失われていき、一度は世から忘れられてしまった九份ですが、映画の舞台として脚光を浴び、再び賑やかさを取り戻しました。とはいえ寂れてしまっていた時代の片鱗もまだ街に残っており、そのうら寂しさが九份の魅力をつくり出しているのかもしれません。

九份へのアクセス

台北から西へ約40kmの場所にある九份。台北からバスで向かうのが一般的ですが、その他のアクセスも簡単にご紹介します。

1. バスでのアクセス

九份行きのバスが出ている忠孝復興駅

もっともポピュラーなアクセス方法はバス。
①忠孝復興駅から 1062番 金瓜石行き 九份老街下車 所用時間約1時間半
②西門駅から 965番 金瓜石行き 九份老街下車 所用時間約1時間20分
ハイシーズンの帰路はかなり混み合い、満員で乗れないということも。時間に余裕のある計画を立てましょう。

2. 電車でのアクセス

台北駅から台鉄TRA・瑞芳駅へ。自強号(特急)で約40分、区間車(各駅停車)で約50分かかります。瑞芳駅からはバスかタクシー利用(いずれも15分程度)。

もう一つ、電車で台北駅から基隆駅(区間車のみ停車)まで行き、基隆駅で九份行きバス788番へ乗り換える行き方もあります。こちらはあまりメジャーなルートではないため比較的乗りやすいようです。

3. タクシー

台北からだと1000~1200元ほどが相場。九份行きのバス乗り場には相乗りの客引きもみかけたので、人が集まれば安く利用できるでしょう。

4. ツアー

台北~九份のシャトルバス 移動のみ 1000元程度~、+食事プラン 1500元程度~。ホテルまでの送迎、他の観光スポットも訪れるなどいろいろオプションがあるものもあるので、都合に合わせて利用すると良いでしょう。

九份のおすすめスポット

1.基山街(ジーンシャンジェ)

メインストリート・基山街エリア

九份のメインストリート基山街エリア。バス停「九份老街」で下車し、セブンイレブンの脇道から入ります。食べ物屋さんやお土産屋さんなど、提灯を吊り下げた九份らしいお店が軒を連ね、食べ歩きやお買い物を楽しみながら活気のある九份の雰囲気を味わうことができます。 道を進んでいくと階段の道と重なる十字路に当たります。

右折して階段を降りると九份のお馴染みの眺め、豎崎路となり、真っ直ぐ進むと有名なお茶屋さん「九份茶房」や「山海観茶餐庁」が。左折して階段を登ると「阿柑姨芋圓」など食べどころも色々ありますのでお見逃しなく!

「阿柑姨芋圓」など食べどころも沢山

2.豎崎路(スーチールー)

ノスタルジックな雰囲気の豎崎路

たくさんの赤提灯と、時代を感じる建物に囲まれる細い階段の道。九份を代表する建物「阿妹茶樓」はこの道の真ん中あたりにあり、周りは常に沢山の人で賑わっています。夕方になると提灯に明かりが灯り、ノスタルジックな雰囲気がより一層深まってきます。昼間も素晴らしいですが、やはり陽が落ちる夕方から夜にかけてが九份のハイライト。ぜひ時間を合わせて訪れましょう!

3.黄金博物館(金瓜石)

九份の奥、金瓜石まで少し足を伸ばせば、220kgもの金塊に触れられる黄金博物館があります。日本統治時代の建物や生活用品の展示や、砂金採り体験や坑道探検などを楽しめます。歴史を知ってから歩く九份はまたひと味違うかもしれませんね。

九份のおすすめグルメ

1.お茶

お茶も有名な台湾。九份にはノスタルジックな雰囲気に浸りながら本格的な台湾茶を飲めるお茶屋さんがたくさんあります。歴史ある古い建物や並べられた茶器が醸し出すレトロな雰囲気は、お茶や茶葉料理をまた格別なものにしてくれるでしょう。歩いて楽しむ九份とはまた別の魅力を感じることができると思います。

2.タロ芋団子「芋圓」

モチモチのタロ芋団子をメインに、小豆や数種類の芋団子を散りばめたぜんざいのような甘味です。温かいぜんざいと、それに粗めの氷をかける冷たいぜんざいが選べます。ほっとする甘さが歩き疲れた体を癒してくれるでしょう!

3.魚のつみれスープ「魚丸湯」

魚のつみれスープ「魚丸湯」

もふもふしつつも弾力のあるサメのすり身を頬張ると、中からジュワッと豚ミンチが溢れ出るつみれや、イワシのつみれなど何種類かのつみれが入ったスープ。スープも絶品で感動的なおいしさです!

喧騒に疲れた台北っ子も、「昔ながらの台湾」を感じ、癒されに訪れる九份。日本のルーツも残るノスタルジックな景色を楽しんできてくださいね。

※掲載の情報は2019年8月現在の情報です。内容は変更となる場合があります。

文・写真=旅する眼鏡
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