ビール大国と言われたら皆さんはどこを思い浮かべますか。ドイツ、ベルギーなどを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は、世界で一番ビールを飲んでいるのはチェコ人なんです。今回はそんなチェコビールについて紹介していこうと思います。
2017年の調査では2位のオーストリア人に大差をつけ、チェコ人が1人当たりの1年間のビール消費量25年連続世界一に輝きました。のどが乾いたらビール、3度の飯よりビール、お腹が減ったらビール。チェコ人のビール愛は計り知れません。
チェコのビールはとにかく種類が多い。どんな小さなスーパーに行っても、たくさんの種類のビールが売られています。驚くのは缶ビール、瓶ビールもさることながらペットボトルのビールもあること。
いかにチェコ人が日常的にビールを飲むか、これでわかりますね。日本人が冷蔵庫にペットボトルの水を常備するように、チェコ人はビールを常備し飲みたいときに飲みたいだけ飲みます。
チェコ人はビールを飲むときにあまり食事はとりません。ひたすら飲みます。そのためホスポダ(ビールを飲む居酒屋のような場所)では料理のメニューがほとんどないところもあります。
ビール通でない私でもわかるほど、種類によって味が全く違うのが面白いところ。それぞれとても特徴があるので、チェコを訪れた際はぜひいろいろ試してみてください。
観光で訪れた際、ビールを飲むのはレストラン、もしくはホスポダが多いでしょう。しかし残念なことに、ひとつのレストランに置いてあるビールは通常は1、2種類です。ただ醸造所をもつレストランもあり、そこのビールはスーパーで売っているものとは比べ物にならないほどのおいしさなので、事前にレストランのウェブサイトでどのビールが置いてあるのかを調べるのもいいかもしれません。
どのレストランにどんな種類のビールが置いてあるか、その見分け方はとっても簡単。入り口に銘柄が書かれた看板が出ています。例えばこのような感じです。
お店の名前ではなくビール銘柄の看板を出す、ビール愛の強いチェコ人ならではですよね。
さまざまな種類のビールを飲み比べしたいのであれば、スーパーに行くことをお勧めします。どんなに小さなスーパーに行っても最低10種類のビールはあるでしょう。それも価格は500mlで50円から100円ほど。水より安いというのは嘘ではありません。格安なので、いろいろ試してお気に入りのチェコビールを見つけましょう。
すべてのチェコビールに共通している特徴といえば、苦みが少ないこと。ビールが苦手な方でもぜひチェコに来た際には試していただきたいです。
ビールの缶やメニューに書いてある数字、10、11、12などは麦芽糖度のことでアルコール度数を意味しているわけではありません。数字が多いほどアルコール度数は高くコクが強いという特徴もあります。
また、たまに目にするレストランのメニューのビールの名前の隣に書かれているMlíkoというのはビールの泡の量の表現で、これを頼むと泡とビールの比率が逆のほとんど泡のビールが運ばれてきます。これは主に泡を飲むことでビールの香りを楽しむもの。興味がある方はぜひ試してみてください。
ここからは私の個人的な意見ですが、代表的なビールの特徴を紹介したいと思います。
・Pilsner Urquell
チェコビールといえばピルスナー。ピルゼンという街で古くから変わらぬ製法で作られている正に代表的なチェコビール。強い苦みと共に、コクを味わえるビール通のチェコ人に人気のビール。スーパーでは他のビールと比べると少しだけ値段は高いですが、これぞビールという味わいを一度は味わっていただきたいです。
・Budweiser Budvar
チェスキー・ブデヨヴィツェという街に醸造所をもつビール。若者を中心にとても人気で有名な銘柄。ホップの豊かな香りが飲んだ後に残るのが特徴の人気のビール。
・Kozel
ヤギのマークが特徴のコゼル。甘みがとても強く飲みやすいビールです。またコゼルは黒ビールが有名な銘柄。黒ビールはさらに甘みが強く、ビールが苦手な方にお勧めします。
・Staropramen
プラハに醸造所をもつこの銘柄。とてもすっきりとした苦みと酸味、甘みのバランスがいいビール。これぞ量が飲めるビールという感じの、味の強すぎないとても飲みやすいビールです。
いかがでしたか。ぜひチェコに来た際には、さまざまなチェコビールを堪能してみてください。