音楽の街ウィーンには、200軒以上のカフェがあり、ハプスブルク時代の栄華を感じさせる「ウィーンのカフェ文化」は、ユネスコの無形文化財に指定されています。
カフェとひとことで言っても、お店ごとに特徴はさまざま。ハプスブルク家御用達のケーキを誇る「コンディトライ」から、コーヒーの種類が豊富なカフェ、19世紀末から変わらぬ内装で雰囲気を伝える店など、それぞれに特色があります。
今回ご紹介するのは、そんな中でも、ランチが美味しいカフェです。一人旅でレストランに入りにくくても、カフェならおひとりさま大歓迎。雰囲気の良いカフェで、美味しいオーストリア料理を味わい、食後のコーヒーまで楽しめてしまう、お勧めランチカフェを3つご紹介します。
モーツァルトやベートーヴェンも演奏会をした、ウィーン最古の歴史あるカフェ、フラウエンフーバー。
ここは好立地ながら観光客が少なく、地元の年配のお客さんがひっそりとおしゃべりを楽しむ、落ち着いた雰囲気の伝統的なカフェです。
ウェイターも、昔ながらの伝統的なスタイルで、テラス席と中を行ったり来たりします。
ここは伝統的なオーストリア料理のバリエーションが多く、とりあえず有名どころを食べておきたいな、という方におすすめ。
フィアカーグラシュ。ハンガリー風シチューに目玉焼きがのり、パンでできた団子クネーデルとピクルスが添えられています
シュニッツェル(仔牛のカツレツ)、グラシュ(ハンガリー風シチュー)、ターフェルシュピッツ(牛肉の煮込み)など定番のオーストリアの肉料理は肉もやわらかく、しっかりと味にこだわった料理が楽しめます。また、軽めの昼食を楽しみたい場合は、バックヘンデルサラート(ウィーン風鶏腿肉のフライを添えたサラダ)や煮凝りのサラダがオススメ。オーストリアの特産品のパンプキンシードオイルが独特の風味を加えます。
観光の合間に、落ち着いた雰囲気でランチを楽しみたい方におすすめのカフェです。
フラウエンフーバーが正統派オーストリア料理だったら、ディグラスは創作オーストリアン。定番オーストリア料理のちょっと変わったアレンジが登場します。
お店の外装もピンクでかわいらしく、内装も赤を基調としていて女性向き。
鶏肉のスイートサワーソースに根菜のサラダ添え
ここは、通常メニューのほかに、日替わりメニューを4種類から選ぶことができます。どれも定番料理を少しアレンジしているので、テーブルにサーブされてのお楽しみ。彩りも美しく、見ただけでは味の予想がつかない料理が運ばれてくることもありますが、どれも美味しく、満足できますよ。
また、ここのカフェのトイレは少し変わっていて、話のネタにぜひのぞいてみてください。ちょっとびっくりするかもしれませんが、鍵を閉めたら普通に使えますよ。
このカフェは、19世紀末の雰囲気を色濃く残し、当時の内装そのままなのがこだわりのカフェ。
ウィーンを舞台にした恋愛映画「恋人までの距離(ディスタンス)」(英題:Before Sunrise)の舞台にもなりました。少し観光ルートからは外れていますが、その分観光客も少なく、とても居心地の良いカフェです。
ここは、オーナーの奥さんが経営に関わりだしてから、食事に力を入れるようになったそうです。定番のオーストリア料理を、手軽な値段で美味しく食べられるため、近隣のビジネスマンの姿もよく見られます。ランチメニューのバリエーションも豊富で、季節モノも充実しています。
テーブルに並ぶのは、ウィンナーシュニッツェルのスグリソース添えと、魚のフライにウィーン風ポテトサラダ。
どの料理も定番を押さえていてとても美味しく、レストラン並みの満足度です。コーヒーの種類も充実していますので、ぜひゆっくり長居して、じっくり雰囲気を楽しんでみてください。
ウィーンのおひとりさま大歓迎のランチを3つご紹介しました。
ぜひ観光の合間には、レストランより気軽に入れて、軽食から肉料理まで種類も豊富で味も本格的な、カフェのランチをお楽しみください。