今回は、日本人にゆかりのある港町、スティーブストンについてご案内します。
バンクーバー市の南、リッチモンド市の南部にあるこのスティーブストンビレッジは、バンクーバーのダウンタウンから車で約40分、公共交通機関を使っても1時間ほどで行くことができます。現在では、観光客だけでなく、多くの地元の人達で賑わっていて、特に毎年7月1日のカナダデー(カナダ創立記念日)には、スティーブストン・サーモンフェスティバルが行われています。
バンクーバーでは多くの映画撮影が行われていますが、このスティーブストンは、アメリカのテレビドラマ「Once Upon A Time(ワンスアポンナタイム)」のメインロケ地として使用されており、テレビドラマの中では、スティーブストンに実際にあるお店などが登場しています。私もスティーブストンへ訪れた際に何度か撮影現場に出くわしたことがあります。
たくさんのボートが停泊している港
このスティーブストンは、かつて日本人移民が多く住んでいて、漁業を中心に日系コミュニティを築いていました。ところが、第二次世界大戦の際に、多くの日系人が強制帰国または強制収容され、日本人街の解散が余儀無くされました。戦後、このスティーブストンに戻って来た日系人もいましたが、今日まで日本人街が新たにこの地にできたことはまだありません。しかし、日系人が多く住んでいた名残で、現在でもスティーブストンの各地に日本の名前が残っていますので、探してみるのも興味深いでしょう。
ジョージア湾缶詰工場跡地
そんな歴史あるスティーブストンですが、バンクーバーを訪れた際、日本人ならぜひ一度足を運んでみたいおすすめスポットを紹介します。まずは、かつて水揚げされた魚を缶詰にしていた「Gulf of Georgia Cannary National Historic Site(ジョージア湾缶詰工場跡地)」です。現在は博物館として、工場内も見学でき(入場料あり)、当時の缶詰工場の様子が写真などを通して再現されています。
ブリタニア・シップヤード
また徒歩15分程で、Britannia Shipyards(ブリタニア・シップヤード)という、100年以上前のスティーブストンの家の様子や造船所を見学することができます。ここに、「Murakami House(村上ハウス)」という、船大工であった村上音吉さんの旧宅もあり、宅内では彼の暮らしぶりを見学することができます。
海沿いに並ぶレストラン
港町ならではの食体験もできます。港に沿って並ぶレストランでは、さまざまなシーフード料理が楽しめます。一番有名なのは、Pajos(パジョス)というフィッシュアンドチップスのお店です。週末などは常に行列ができる地元の人にも人気のお店です。また、ちょっと変わったシーフード料理が食べたい方には、約$40のエビとカニがたっぷり盛られたPrincess Pizza(シーフードピザ)が試せるSteveston Pizza(スティーブストン・ピザ)がおすすめです。4人で1枚のピザを注文してお腹いっぱいになるようなボリュームがあります。また、1種類のパンしか販売していない有名なパン屋さんもあります。
週末開催される市場。この日は平日なのでお休みでした
週末に開催されるFisherman's Wharf(フィッシャーマンズワーフ)にて開催される市場では、漁師さんたちがボートの上で釣って来た魚介類を販売していて、新鮮な魚介類が購入できるとあって、地元の人や観光客で賑わっています。
散歩にも気持ち良い道が入江沿いに続く
昔の日系人の方々の暮らしぶりを見学しつつ、スティーブストンで1日過ごすのも、バンクーバーならではの観光だと思います。バンクーバーへ訪れた際、お時間があればぜひ足を運んでもらいたい場所です。