2-3月号の巻頭特集は「英国の旅・王都ロンドンへ」。取材に行ったのは11月末だけに、気温は10度を超えることはなく、朝晩はかなり冷える。使い捨てカイロを持ってこなかったことが、悔やまれた。おまけに朝からどんよりと曇り、青空と太陽を見たのは1週間の滞在中にわずかに2日。午後3時半を過ぎると、暗くなってしまう...。
天候に恵まれないなか、それでもカメラマン氏と現地のコーディネートさんの3人で、地下鉄や名物の2階建てバス、ブラック・キャブと称されるクラシックなタクシ-を乗り継いで、市内をあちらこちら取材して回った。そして、チャイナタウンに行った時に見つけたのが、「辻利」ロンドン店である。
ロンドンのチャイナタウンは市内随一の繁華街であるソーホー地区にあり、その規模はヨーロッパ最大級といわれている。
お抹茶を点てるスタッフ
きな粉ソフトのポスター
「辻利」といえば、1860年(万延元年)創業の宇治茶の老舗。京都・宇治市の本店をはじめ、大阪や東京・銀座などに店舗があり、濃厚なお抹茶やお抹茶を使ったさまざまなスイーツが評判だ。日本でも大人気の「辻利」のロンドン店とあって、3人でさっそく入店した。
メニューは抹茶ソフトや抹茶ラテに抹茶パフェ、秋冬限定のきな粉ソフトなどがあるが、ここはやはり基本のお抹茶だ。注文すると、若い日本人女性のスタッフが、目の前で茶筅を巧みに回して点ててくれる。志野焼風の茶碗でいただいた濃いめのお抹茶の、なんと旨いことか。寒さも忘れ、しばしニッポンならではの味と感傷にひたったものである。値段は日本円でおよそ650円。
「WASABI」の外観
もう1軒は「WASABI」。これはロンドン市内に30数軒もある和食のファーストフードチェーンストア。焼そばやカレー、チャーハンなどもあるが、人気なのは寿司。といってもツナやサ-モンが主体で、あとはおむすびやおいないりさん。
「WASABI」の店内
おいなりさんは、昔からの大好物。思わず手に取ったのはいうまでもない。味のほうの感想は、「まずまず」ということにしておこう。