【SP】
12-1月号の巻頭特集は、「潜伏キリシタンの歴史の舞台へ」。大浦天主堂をはじめ、さまざまな個性的な教会を巡った。旅の最後は熊本県の天草で、ここではイルカの群れ泳ぐ姿を見ることができた。
イルカウォッチングの情報を発信している天草イルカインフォメーション
イルカウォッチングの拠点となっているのは、天草下島の通詩島(つうじしま)付近。このあたりの海域は、速い潮流と起伏にとんだ海底によって魚類の宝庫になっており、これを餌に野生のミナミバンドウイルカが、日本近海では珍しく根付きのイルカとして住みついているのだ。
イルカウォッチングの遊覧船
また、魚網などの漁具を使わない素潜り漁が古くから行われており、そのためイルカとの共生がうまくいっているといわれている。イルカウォッチングの遊覧船を運営する会社が8社もあり、1年を通して観光客を運んでいる。
遊覧船の近くを泳ぐイルカ
現在約200頭のミナミバンドウイルカが生息しており、95%から98%の確率で見ることができるという。「本当にそんなに高い確率なのかな?」という疑問は、船が出航してまもなく解消した。
沖合に出ること10分ほどして、早くもイルカの姿をキャッチ! すでに出航していた遊覧船が2隻あり、乗客たちはキャアキャア声を上げて喜んでいる。
数頭の群れが、かなりのスピードで泳ぎ回っている。「いつもはもっとゆっくりしているけど、多分、今は餌を追いかけているから速いんですね」と、ガイドさん。ちなみに、イルカは普通3分くらい潜って浮かび上がり、何度か息継ぎをしてまた潜るという行動を繰り返す。餌はさまざまな魚やイカなど。
今回は、たまたま捕食の最中だったようで、見えた!かと思うと、次の瞬間には海中へ姿を消してしまう。単に、見るだけならそれでもいいが、こちらとしては写真を撮らねばならない。右舷から左舷へ、左舷から右舷へと、船の中を忙しなく移動しつつシャッターを切るのだが、なかなか「これだ!」というチャンスが訪れない。
そうした中で、なんとか撮影したのが、ご覧の写真である。この次は捕食中ではなく、食後にゆっくりとくつろいでいる時にトライしたい。