パリの魅力的な料理

パリの新トレンド 炭火焼きグルメレストラン「カーボン」

海外現地ライター便り
2018年11月15日
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海外旅行
旅行記

パリを訪れる楽しみの一つといえば、フードですよね。四季折々の食材を使ったメニューや移民の多い街ならではの異国の味が楽しめたりと、豊かな食文化は進化し続けています。

昔ながらのビストロ、高級フレンチ、すでに定番になっているガストロノミーなど形態もさまざま。昨今はカウンターテーブルのみでタパス風に小皿をシェアして楽しむスタイルのお店が一気に増えました。
その流れが少し落ち着きを見せ、あらためてクラシックなフレンチが求められている中、次なるトレンドは"炭火焼き"グルメ!

パリの条例変更が可能にした炭火焼レストラン

日本で炭火焼きと言えば焼き鳥店や焼肉店など比較的身近ですが、パリでは見かけることがありませんでした。そもそも、フランスは災害が少なく建築物の建て替えを行わず保存意識が強いため、改築・改装は日本ほど容易ではありません。キッチンの中に炭火焼きの環境を整えること自体が難しかったのですが、数年前に条例が変更になり、今では許可を取れば可能になったということで、調理の幅が広がったのです。

この数年で次々と炭火焼きを取り入れるレストランが登場していますが、真っ先に注目を集めたのは「カーボン(Carbon)」です。店名はそのまま、フランス語で炭火焼きを意味しています。

炭火焼きレストラン「カーボン」の店内

炭火焼きといってもキッチンの換気がしっかりしているため、店内に入っても煙臭さはありませんし、服や髪に臭いがつくことはないので女性も安心です。
ウッドを基調とした壁とテーブル、そして緑が飾られ、リラックスした寛げる空間。
奥には10人ほどが入れる個室のダイニングルームも備えています。

アラカルト(前菜、メイン、デザート)

野菜はすべてオーガニック素材!

料理はアラカルトで前菜、メイン、デザートから選ぶことができます。仕入れや肉の熟成状態によってメニューが変わるため、ラインナップはその日のお楽しみ!
野菜はすべてオーガニックで、素材の味を楽しむためにシンプルな味付けが中心です。珍しいのは牡蠣の炭火焼きやフレンチの定番ムニエルの炭火焼きなど。メインはお肉料理が多く並んでおり、フランス料理らしいソースとともにいただくクラシックなスタイルで、食べ応えもばっちり。ランチでもついついワインが進んでしまいそう!

テーブルセッティングが終わった店内

人気店なのでランチもディナーも予約してから行くのがオススメ。オンライン(フランス語・英語対応)で予約可能で、お店のスタッフの方も英語が話せるので観光で訪れる方も少し安心ですよね。炭火焼きというコンセプト、味、雰囲気に加えて、ロケーションも好条件です。

「カーボン」が位置する北マレは、ショッピングや観光が楽しめるエリアですが、しっかりとお腹を満足させられるレストランがあまりありませんでした。最先端なエリアだけに、ヘルシー系のカフェが多く点在しますが、「カーボン」のオープン後は徒歩圏内に新進シェフのレストランがオープンするなど、フード文化もしっかり定着していきそうです。

日本食の炭火焼きグルメとは違う、フレンチ流をぜひご賞味あれ!

文= ELIE INOUE・写真= Sophia van den Hoek
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