ゴールドラッシュの栄華を今に残すダニーデン鉄道駅舎。
歴史あるダニーデンの建築物の中でもひと際豪華なこの駅舎は、建築物の中ではニュージーランドで一番写真を撮られているという人気の撮影スポットです。
南島第2の都市ダニーデン。1940年代後半からスコットランド人によって開拓されたこの街は今でも「南のエディンバラ」と呼ばれるほどスコットランドの影響が色濃く残っています。
そんなダニーデンは1860年代に始まったゴールドラッシュによって世界中から採掘者が集まり、金融・経済の拠点として繁栄しました。ダニーデン市内には今でもその時代の贅沢な富を使って建てられたエドワード様式、ビクトリア様式などの豪華な建物が至る所に残されています。
またダニーデンはアホウドリやブルーペンギン、シーライオンなどの野生動物を見ることができる場所としても有名で、歴史のある街並みと自然の両方を楽しめるダニーデンはニュージーランドでも人気の観光地です。
今回は、そんなダニーデンの街で際立った存在感を放っている1906年にフレミッシュ・ルネッサンス様式で建てられたダニーデン鉄道駅舎を紹介したいと思います。
ダニーデン駅舎の特徴でもあるこの白と黒のコントラスト。地元で採れた黒い玄武岩のレンガに、ダニーデンのすぐ北にある街オアマルで採れた石灰岩を使って施された白い縁取りが建物の華やかさを際立たせています。
豪華なのは建物の外観だけではありません。駅の中はトイレに至るまで豪華で、特にチケット予約ホールには床から天井まで至る所に美しい装飾が施されています。予約ホールの床は英国王室御用達ロイヤル・ドルトン製の磁器タイルがなんと75万枚も使われ、繊細な模様が描かれています。
また窓には列車がモチーフの可愛いステンドグラスが施されていて、更に華やかさを添えています。
毎週土曜日には朝8時から12時半まで駅の駐車場でファーマーズマーケットが開催されています。ライブミュージックが流れる中、地元で採れた野菜や果物、手作りジュースやチーズ、クレープやスムージー、ニュージーランドのクラフトなどなどたくさんのお店が並び朝から賑わっています。
駅ができた当初は一日100本もの列車が発着する忙しい駅でしたが、その後の経済の衰退と道路網の発達で、現在は観光列車のタイエリ峡谷鉄道が一日2本発着しているのみです。
セントラルオタゴの奥地へ向かい、荒々しい山肌を沿うように走るタイエリ峡谷鉄道は世界有数の観光列車で、この列車を目当てに世界中から鉄道ファンが集まります。絶景ポイントでは電車が停車し撮影タイムがあるので絶景を撮り逃すことはありません。
観光列車といえどもバスに乗り継げばフィヨルド国立公園への拠点の街クイーンズタウンへの移動手段としても使えます。
ニュージーランドへお越しの際は、ダニーデン駅舎を見にぜひダニーデンまで足を運んでみてください。