パラアスリートの土田和歌子選手
写真撮影:Norihiko Okimura

土田 和歌子選手に聞く車いすマラソン競技と地元多摩の魅力

パラスポーツ・アスリート×地域
2017年04月04日
カテゴリー
国内旅行
スポーツ

まずは地元から競技の魅力を発信!

土田和歌子選手が語る地域の環境と魅力
写真撮影:Norihiko Okimura

JTBグループでは、パラスポーツの発展とともに、地域を元気にするアスリートを応援していきます。今回は、冬季・夏季パラリンピック金メダリストでもある土田和歌子選手にアスリートとしての地域の環境と魅力を語っていただきました。

多摩暮らしの15年が生んだ変化

アスリートにとって、練習環境はとても重要です。私自身、これまでいろいろな場所に移り住んで、活動拠点を模索してきました。現在、住んでいる多摩市は、ロード練習ができるサイクリングロードや400mトラックのある競技場、また近くの国立市には、ウェイトトレーニングができる施設などもあります。自宅から車で15分圏内にそうした施設などが整っている場所を探していた時に、多摩が候補に挙がったのですが、実際、練習するには非常に良い環境ですね。
多摩市に住み始めた当初は、地域の方にとってパラスポーツやパラリンピアンという言葉は、馴染みの薄いものだったと思います。ですが私が練習する姿をご覧になる機会もあってか、次第に知られるようなって、リオデジャネイロパラリンピック出場の時には、駅前の通りに横断幕を張って応援してくださったんです。
サイクリングロードでトレーニングをしていても、一昔前は「あれ何?」と言われていたのが、今では「かっこいい」とか「がんばってね」に変わってきました。多摩に住んでからの15年は、地元の方々との関わりを築けた「変化」の時間でもありましたね。競技を続けてきて良かったと思いますし、やはり、まずは住み慣れた町から競技について発信していくのが大事だと感じています。その先に、都や各道府県、国という広がりが見えてくるのかなと思います。

レースの迫力と参加者の一体感は格別

レースの迫力と参加者の一体感は格別

車いすマラソンの魅力は、まずはスピード感ですね。競技性も高まって、マラソンという名前ですが自転車競技に近いものがあります。選手同士の駆け引きも見どころなので、選手の特徴を知っていただくと、よりレースの面白みが増すと思いますよ。ただ、スピードが速い上に、ヘルメットとサングラスを着用しているので、選手を見分けるのがすごく難しいらしいです(笑)。  これまで出場した大会のなかでは、オーストラリアシリーズが印象深いですね。多くのボランティアの方を募って、街全体で大会を盛り上げていて。地域の特長を活かしたレース作りが素晴らしいと感じました。
レースは、アスリート、スタッフやボランティアの方々、観客のみなさんが一体となって初めて成功するものであり、その一体感にふれることも醍醐味だと思います。生で観るレースは迫力も抜群ですから、ぜひ足を運んで直に感じていただきたいですね。

土田 和歌子(つちだ わかこ)プロフィール 写真撮影:Norihiko Okimura
写真撮影:Norihiko Okimura

P R O F I L E
土田 和歌子(つちだ わかこ)

1974年10月15日 東京都生まれ
高校2年生の時に、友人とドライブ中、交通事故に遭い車いす生活となる。1993年アイススレッジの講習会に参加したことがきっかけで、日本で最初にアイススレッジスピードレースを始める。1998長野冬季パラリンピックで金2・銀2のメダルを獲得、陸上競技転向後の2004年アテネ夏季パラリンピックでも金・銀のメダルを獲得し、日本人史上初の夏・冬パラリンピック金メダリストとなる。2012年ロンドンパラリンピックでは日本選手団主将を務め、2013年10月には12年ぶりに自身の持つ公認世界記録を更新した。現在は東京2020パラリンピックを視野に海外メジャーマラソンレースを中心に活動中。

(取材協力:W-STAGE、日本財団パラリンピックサポートセンター)

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