和歌山県 白崎海洋公園

「日本のエーゲ海」とも称される白の海岸美

概要・エピソード

紺碧の海に浮かぶ、白一色の岬。紀伊半島の豊かな自然の緑に映える青と白のコントラストが美しい絶景は、「日本のエーゲ海」とも呼ばれています。この白い海岸線の正体は石灰岩。半島の内側にある国道42号からドライブし、海沿いの県道に出た途端、景色が一変。青い空に映える真っ白な海岸が視界いっぱいに広がります。岬の先端にある白崎海浜公園では、白い崖の上に設置された展望台があり、広々とした海を一望できます。海の向こう、遠く四国まで臨むことができるだけでなく、真っ白な岩が連なる海岸線もたっぷり満喫できるでしょう。古今、この地を訪れた旅人は、風光明媚な景観を歌に詠んできました。万葉集でも紀伊由良の歌として4首が読まれており、遠い昔からこの地が人々に愛されてきたことがわかります。

見所・お勧めポイント

長い歴史を感じさせるロマンたっぷりの景勝地。白崎海洋公園の近くにある万葉公園には、この景色を詠んだ2首の歌碑があります。1首は詠み人知らずの万葉集の歌、もう1首は平成に詠まれた歌。1000年以上の時を超えて同じ場所を詠んだ歌が並ぶロマンを味わいつつ、目の前に広がる景色を眺めれば、きっとすてきな思い出になるでしょう。

背景

岬一帯を形成する石灰岩は、およそ2億5000万年以上の古生代ペルム紀のもので、今もあちこちからフズリナやウミユリの化石が発見されています。石灰岩の主成分である炭酸カルシウムをセメントや肥料の原料として使うため、採石されていた時期もありました。古代のロマンの宝庫、日本産業の歴史、旅人たちの思い出の歌と、さまざまな魅力を見せてくれる「日本のエーゲ海」。現代もかつてと変わらない美しさで、訪れた人々の心を魅了します。