和歌山県 白浜・田辺

漆黒に現れる幻想の風景 「橋杭岩ライトアップ」

概要・エピソード

海の上に規則正しく岩の柱が並ぶ様子は、まさしく橋を支える杭のよう。串本町にある橋杭岩の景色を眺めていると、串本の町から大島までを結ぶ橋杭岩の上に、かつて巨大な橋が架けられていたのではないか、と想像したくなってしまいます。この橋杭の正体は、自然によって生み出された岩。海の浸食によって岩のやわらかい部分が削り取られ、長い年月をかけて硬い部分だけが残った結果、まるで橋杭のように天に向かってそびえる奇岩が幾つも連なる景観が生まれたと伝えられています。昼間の青空の下で見る奇岩の景色は格別ですが、例年10月～11月上旬にかけて夜間ライトアップが実施されており、昼間とは全く異なる、幻想的な光に照らし出された橋杭岩の姿を見ることができます。

見所・お勧めポイント

海から突きでた橋杭のような大小40あまりの岩柱が、夜の海で美しくライトアップされた姿。長い年月の浸食に耐える岩の力強くも奇妙な様子は、夜闇に白く照らされて浮かび上がり、幻想的な雰囲気で訪れた人々を魅了します。

背景

橋杭岩にはひとつの昔話が残されています。かつて弘法大師と天邪鬼が、海に浮かぶ島まで一夜で橋を架けられるかどうか、という賭けをしました。弘法大師がみるみる橋杭を建てていったことにあせった天邪鬼は、朝が来たと勘違いさせるために鶏の鳴きまねをしました。これを聞いた弘法大師は賭けに負けたと思い込み、途中で橋を作るのをやめてしまったため、橋杭だけが海の中に残されたのだというお話です。