新潟県 佐渡

弁慶のはさみ岩に落ちる夕陽

概要・エピソード

鬼に力比べを挑まれた怪力自慢の力持ちが放り投げたという伝説が残る、「弁慶のはさみ岩」。でこぼことした断崖絶壁の間にすっぽりと岩が挟まっている光景が何故生まれたのか、未だに謎は解明されていません。けれども何百年もの時を経てなお岩壁にぴったりとはまり込んだまま「落ちない」奇跡の岩に願をかけようと、受験生をはじめとして、「落ちない」運にあやかりたい人々の人気スポットになっています。どのような自然の奇跡が働いて、この光景を生み出したのか。それとも本当に怪力自慢の力持ちが放り投げた岩なのか…。語り伝えられてきた古代の伝説にロマンを感じながら、数多くの人々の願いを受け止めても「落ちない」奇跡の岩を眺めてみてはいかがでしょう。

見所・お勧めポイント

毎年3月20日頃になると、「弁慶のはさみ岩」の向こう側に見える大海原に、美しい夕陽が沈む光景を見ることができます。岩壁と岩壁がつばぜり合うように迫った細い隙間から夕陽が見えるのは、一年のうちでこの時期だけ。茜色に輝く海のきらめきと、夕陽を浴びて真っ黒なシルエットを浮かび上がらせる「弁慶のはさみ岩」のコントラストは必見です。

背景

佐渡島には、「佐渡弁慶」と呼ばれた島一番の力持ちの伝説が残っています。ある時、この佐渡弁慶が鬼に力比べを挑まれました。そこで佐渡弁慶が近くにあった巨大な岩を放り投げてみせたところ、岩は高々と飛び上がって下相川の岩壁にはさまり、鬼は佐渡弁慶の怪力に驚いて逃げ出してしまったということです。この時、佐渡弁慶が放り投げた石が、現在「弁慶のはさみ岩」と呼ばれている奇妙な景観を作り上げたと伝えられています。