山梨県 富士五湖・忍野・富士吉田

本栖湖からの逆さ富士

概要・エピソード

勇壮に佇む富士山の姿を2つ同時に見ることができる、不思議な景色。それが「逆さ富士」です。富士山そのものと上下が反転した姿で湖に映り込む「逆さ富士」の姿は、湖面に波が無く、穏やかな状態の時に、より美しく見ることができます。波の無い水面にくっきりと浮かび上がる富士山の姿は、まさに鏡に映したかのよう。逆さ富士の景色は富士山周囲に点在している富士五湖各地で見ることができますが、どの角度から見てもそれぞれに異なる姿を見せてくれるため、いずれ劣らぬ人気があります。その中でもひときわ名が知れているのが、この「本栖湖の逆さ富士」。お札の裏面に描かれている富士山の絵が本栖湖の逆さ富士を映した写真をモデルとしているので、実際の景色とお札の絵を見比べてみるのも楽しいでしょう。

見所・お勧めポイント

古くから日本人に愛されてきた富士山を、水面に映した「逆さ富士」。その珍しい姿は、多くの人々を惹きつけ、芸術家をもとりこにしてきました。よく晴れた日には、富士山の裾の青ささえ色濃く映した、美しくも貴重な逆さ富士の姿を見ることができます。

背景

湖の水面に、富士山の姿を鏡のように映した「逆さ富士」は、古くから愛されてきた絶景です。江戸時代には葛飾北斎が「富嶽三十六景」のうち「甲州三坂水面」に河口湖の逆さ富士を映しとり、太宰治もまた小説「富嶽百景」の中で御坂峠から見る逆さ富士の眺望を筆にしたためました。そうして現在では富士山写真家の故・岡田紅陽氏が撮影した写真「湖畔の春」をモデルとした本栖湖の逆さ富士が、現在の千円札・旧札の五千円札の裏面に描かれており、永く愛されてきた富士山の人気ぶりを知ることができます。